HURTLESS/HURTFUL (MF文庫 J し 2-7)
HURTLESS/HURTFUL (MF文庫 J し 2-7) / 感想・レビュー
ソラ
「――脱獄してきたよ。心の中から。行くところがないから、逃亡先を見つけて?」人助けをして線路に落ち、一躍お茶の間のヒーローになってしまった兄をもつ待中玲夫、16歳高校生。以来、一家はマスコミに追われ、玲夫は有名人としてクラスメイトに遠巻きにされてしまう。そんな、まるで非現実みたいな現実に叩き落とされた玲夫の前に突然現れたのは、「脱獄してきた」と笑う、砂糖菓子みたいな少女だった。あたりまえの今日がずっと続くと思っていた玲夫と、帰るところを失った少女が手を取りあって、東京の夜を駆ける。
2011/12/18
sq
もしこういう繊細さを評価しないのならそんな場所どうだっていいのだと思う。
2012/05/04
千円
初読みの作家さん。何がなんだかわからないまま、一気に読まされた。おもしろかったと思う。人間関係が、些細なことの積み重ねで成り立ってるってことに、不安を感じた。情景の描写や言葉の使い方が、とても好みだった。しかし、何より『読まされた』と言う感覚が本当強い。『嘘三部作』も読みます。
2015/07/26
んがんぐ
私は電車の移動中に本読むくらいの人ですけど、これは一気に全部読んだ方がいいですね。
2015/05/09
ナンナル
透明で淡く切ない青春。恋と呼ぶにはまだ幼く、純粋だからこそ許せない言葉があり、塗り替えてしまう過去がある。そのままの自分であるたことは難しく、どこかで嘘が混じってしまうものかも知れない。嘘が入れば、そこで人間関係はこじれてしまい、遠ざかってしまう。そんな彼らが、一つの出来事をきっかけに交差する。見なければ幸せだったかもしれない。でもたぶんそれでは幸せではないのかもしれない。痛みを抱えて、それでも前を向いて歩く姿こそ青春と言えるかもしれない。かくも優しい幻想世界にはそれがふさわしい。
2014/10/17
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