怪談文芸ハンドブック (幽BOOKS)
怪談文芸ハンドブック (幽BOOKS) / 感想・レビュー
イチイ
怪談の創作のコツや東西の怪談文学の歴史について語った評論集。情報量は膨大だが、既存の学説など根拠を求めることが少ないため(文献紹介はあっても、どういう議論がなされてきたかまではあまり触れない)、どこまで信じてよいものか判断ができず評価が難しい。著者の書籍は何冊か読んだがいつもこの調子で、読んでも内容が身につかないのでもう評論集は読むのを止めようと思った。
2020/06/13
王天上
これから怪奇幻想文学をしらみつぶしにしようとしている矢先に出会った、ありがたい一冊。膨大にありますね。最終的に古事記とか読んでいる自分に出会ったりするのだろうか。
2016/08/28
ぼの
★★★★。「怪談」文芸の入門書。第一部のQ&Aも参考になるが、第二部に記された古今東西の怪談の歴史は読み応え十分。誤解を恐れずに極論を書くと全ての物語は怪談に通ず、という印象を受けた。この本に取り上げられている怪談は読んでみないと。
2009/09/20
ハルト
なによりまず、先達たちの「怪談」というものに対する熱病のごとき情熱に、ただ圧倒された。古今東西さまざま「怪談」の知識に唸らされ、さらにまた「怪談」の深みへとはまりかけているのは、当然の仕儀と言うべきか。本来の意味あいは違うけれど、ニーチェの「深淵をのぞく時〜」という言葉を思い出した。「怪談」に闇の中から、こっちにおいでと誘われているかのよう。前半部は「怪談」というものをわかりやすく解題してあって、あらためて「怪談」というものの深さに気づかされた。
2009/08/29
紅独歩
現在、いわゆる「怪談」として流通しているものが、実は大河の支流のほんの一筋である事を知るには最適の書。第一部では「怪談とは何か」という定義から「どう書くか、どう収集するか」のテクニックまでが、噛んでふくめる様に説明されている。第二部は、現代に至るまでの怪談の歴史のナビゲート。日本の最古の怪談を「古事記」ではなく「アイヌ神謡集」にもとめるあたり、目配りがきいている。読む者を映す鏡のような一冊だ。
2009/04/30
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