夜は一緒に散歩しよ(MF文庫ダ・ヴィンチ) (MF文庫 ダ・ヴィンチ く 3-1)
夜は一緒に散歩しよ(MF文庫ダ・ヴィンチ) (MF文庫 ダ・ヴィンチ く 3-1) / 感想・レビュー
★Masako★
★★★+ 黒史郎さん初読み♪ 作家横田卓郎の4歳の娘・千秋は、母親を亡くしてから奇妙な絵を描くようになる。やがて「青い顔の女」ばかり描くようになり、それをママと呼んで…千秋のエスカレートしていく奇怪な行動と共におかしくなっていく周囲の人間、街で連続で起こる不審死。繋がりがわからず、どう終結するのか気になって一気読み。ただ、卓郎の娘に対する行動には納得いかないところがあるし、色んな怖さをごちゃ混ぜにした感があり、不気味さ・不快さはあるもののそれほど怖くなかった。ラストも余韻を残しているが、もやっと感あり。
2019/07/11
sin
タイトルからの先入観でメルヒェンかと手にしたら豈図らんやガッチガチのホラーでした(^w^)物語のその構成も凝ったつくり…ただその進行で時間軸の長さと娘の成長の塩梅の悪さを感じさせるものの中々の力作!子供の描く絵を発端に怪異を文章に現すよりもやっかいな描かれた怪異を文章に置き換えて…呪術に霊魂と盛りだくさんな9646の底力を垣間見た感じがします。
2016/10/24
Bugsy Malone
これは純粋に怖い。「青い顔の女」の絵を描き、それをママと呼ぶ幼稚園児千秋の狂いっぷりの怖さと言ったら。じわじわと狂気と呪詛に覆われていく街。淀んだ川と汚穢の匂い、対象をなす供えられた花。「青い顔の女」の謎を追いかける辺りでは、かの名作「リング」を思い出す。これが黒さんデビュー時の作品とは。人が怖がるもの、気持ち悪がるものを良く承知していらっしゃる。恐るべしクロシロ。是非とも「一身教経典」を読んでみたい。
2017/10/25
nabe
怪談やホラーと幼い子供の新和性は抜群だ。大人になってからでは見えない「何者か」が見えても不思議ではないからだろうか。かつて我知らず見ていたからだろうか。それに加え、主人公が守るべき弱い存在が怪異の影響を受けて奇行に走る様子に生理的な嫌悪感と抜き差しならない切迫感を催すからだろう。その意味で本作はとても効果的に怖さが散りばめられており、序盤から寒気立つこと多数、終盤まで緊張感が続き、最後もしっかりオチを付けていて(ホラーにありがちな投げやりさは無くて)高評価と言える。でも期待は超えられなかった、佳作かな。
2015/06/27
うしこ@灯れ松明の火(文庫フリークさんに賛同)
妻の死後、急に絵を描き始めた娘の千秋。彼女が描く絵はどれも不気味なものだったが、それでもどこか面白みのある絵だった。しかしある日を境に「青い顔の女」ばかりを描くようになり・・。第1回『幽』怪談文学賞長編部門大賞受賞。怖さよりも不気味さが印象に残るお話でした。特に千秋が一心不乱に絵を描く姿が怖かった。一番印象に残ったのは粘りつくような楠木からの電話。受話器を舐るような音が耳から離れません。それにしても楠木に一体何が起こったのでしょうか?気になります。★★★
2012/04/10
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