怪談実話系3 書き下ろし怪談文芸競作集(MF文庫ダヴィンチ) (MF文庫 ダ・ヴィンチ ゆ 1-3)
怪談実話系3 書き下ろし怪談文芸競作集(MF文庫ダヴィンチ) (MF文庫 ダ・ヴィンチ ゆ 1-3)
- 作家
- 出版社
- メディアファクトリー
- 発売日
- 2010-02-24
- ISBN
- 9784840131995
怪談実話系3 書き下ろし怪談文芸競作集(MF文庫ダヴィンチ) (MF文庫 ダ・ヴィンチ ゆ 1-3) / 感想・レビュー
夢追人009
「幽」創刊5周年記念の怪談イベントの旅先で参加のプロ作家4人が当事者となって怪異に遭う冒頭の共作4編は出来過ぎとは思いますが、でも玄人の方々は幽霊を引き寄せるのでしょうね。4つの中では伊藤三巳華さんのギャグも入った心霊漫画が一番好きですね。『御利益』水沫流人:験担ぎに石碑に傷をつけた先輩が競馬で大負けの末に失踪する話。『夢幻魍魎』安曇潤平:登山に来た男が賽の河原に積み上げられたケルンをうっかり崩してしまう。やがて急に湧き出た濃い霧の中から頭のない登山者が現れ「その首、俺にくれよ」と叫びながら迫って来る。
2020/06/28
あたびー
冒頭から4名の女性作家が同時に体験した怪異をそれぞれ書いているが、もちろん恐ろしいのだけど、ちょっとクドかった。巻末勝山海百合氏が「一方その頃岡部えつは、美容のため睡眠をとっていた」とまとめたのが何しろ秀悦だった!志麻子さんは今回も生きてる人間怖い系の「あの女」の話。京極さんは文芸調。安曇さんは不可解な山の話。因果応報的なのもいくつがありましたが、好みでないので割愛。
2022/03/24
MURAMASA
なかなか豪華な執筆陣が集結してるこのシリーズも3作目、しばらく積んでたんで4作目が出版されちゃってるようなタイミングですがようやく読みました。今回は新機軸ってことで、同じ体験について4人の書き手がそれぞれに書いていて、怖さはないですがこういう試みも面白いな、と思いました。でも本シリーズはあくまで実話「系」、私は実話怪談の、「なぜ」っていう辺りを重視せず、出来事だけをぽんと提示されたときのぞぞっとくる感じが好きなので、その意味ではちょっと物足りないというか。『新耳袋』系統の怪談が、読みたいですねぇ。
2010/06/23
なお
幽の慰安旅行で起こった実際の怪異について描かれている前半の4作品とそれ以外の怪異談が入っているアンソロジー。 慰安旅行の話は4人の作者が繰り返し描いているが大して怖くないので飽きてきた。まあ、実際の怪異ってこんなものなのだろうなぁ。 林譲治や、水沫流人が面白かったが、ぶっちぎり面白かったのが巻末にある勝山海百合の一方その頃岡部えつは。 あと慰安旅行では残念な取り憑かれ役の立原透耶だが、調べてみると三体の翻訳に関わった方。凄いじゃん。
2024/04/28
HANA
前二冊に比べて失速の観がある。目玉は同じ体験について四人が別々の視線で語っているものであるが、その事件が全然怖くない上、体験が主観的なものなので読んでいる身としては何が何やらよくわからない。他の作品も創作が中心なので、実話怪談とはどこかベクトルがずれているように思う。それでも岩井志麻子だけは何時もどおりのイヤさ満開であった。この人こういうの書かせたら本当上手いな。怪談とは別の意味で怖いのが村松進吉であった。
2010/07/12
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