色町のはなし―両国妖恋草紙 (幽BOOKS)
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色町のはなし―両国妖恋草紙 (幽BOOKS) / 感想・レビュー
真理そら
萬女蔵さんはとても具体的な岡場所細見の記事を書いてお金を得ている。この設定がもっと徹底してる方が個人的には好きかも。が、次々登場する妖しい女たちに振り回される萬女蔵さんと千里眼のお才の掛け合いも楽しい。『四つ目屋の客』を読んだ後では寺社の大銀杏を見る目が変わってしまいそう。『若衆芝居』は美しい物語だが「痔という文字ができたくらいで~」という彦作の話で笑ってしまったため堪能できなかったのが悔しい。
2019/06/30
カピバラ
おもしろかった~!!萬女蔵の人柄がなかなか良かった。張形を使って呪いをかける話「四つ目の客」が良かった。「化け物茶屋」も。
2015/05/14
らすかる
いい加減な侍の萬女蔵と千里眼のお才が活躍する7つの短編集。タイトルと表紙から濃厚な遊郭のおはなしかと思っていたら違った。ちょっとした怪奇な出来事をいつの間にか解決しちゃってるかんじ。エロ度も怪奇度もかなり控えめ。だけど面白かった~?さくっと読めちゃう。粋な登場人物も好感度大。ちょっぴりエロ怖い、悲恋もあり、人情もある。掘り出し物の作品でした~✨
2019/01/04
kaoriction@感想は気まぐれに
幽霊とか怪談などは好んで読まないのだが、なんとなくその内容に惹かれて。 岡場所をうろつく遊び人の萬女蔵を軸に、本所深川と両国の色町、見世物小屋を舞台に描く、妖しく艶やかな江戸怪談連作7編。萬女蔵のどこか飄々とした雰囲気と優しさに、怪奇な話も不思議と和む。幽霊と交わる…石とか牛とか、人形とか。女の念や生き様が、サラリと描かれていて、でも、ほのかに漂う人情味。好みではなかったけれど、嫌いじゃないな。門前仲町や回向院、馴染み深い町が今日から少し変わって見えるような気がした。著者の『遊廓のはなし』も読んでみたい。
2013/07/06
ちる
両国、本所、深川あたりの岡場所をうろつく萬女蔵のまわりで起こる女絡みの不可思議で妖艶な怪奇譚。女ったらしで、何にしても飄々としていて、でも粋な男らしさがあって、なんだかんだで優しい萬女蔵なんだよなぁ。俗に言う「みえる」力を持つ、お才との掛け合いが小気味よい。女の情念とかは、かくも悲しく儚くも深いものなのだ。
2013/10/03
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