暴言で読む日本史 (メディアファクトリー新書 44)
暴言で読む日本史 (メディアファクトリー新書 44) / 感想・レビュー
ぺぱごじら
歴史の流れの中にある栄枯盛衰、その両極点で発せられた言葉が、歴史上どう受け止められたのか、歪曲されたのか、或いは言ったことにされたのか、を読み解く清水さんの歴史講座。『暴言』とされる言葉たちが発せられた状況を推察し、これは暴言、これは失言、あぁこれは暴言ではないと判定する清水さんは楽しそうに見える(笑)。単に同意するだけではなく少しぼくの意見とは違うなぁと感じたり、ここまでは同じだけど、その先が違うなぁと感じたり、薄い新書ながら頭をかなり使った楽しい一冊。2013-53
2013/04/14
なる
刺激的なタイトルに惹かれて拝読。清水義範へはパスティーシュの代表的作家、という認識があってその着眼点の面白さにはいつも脱帽させられるけれど今回も同様で、この角度から切り込んできたか、という感心がまず出てくる。採用された発言の全てが暴言というわけではないけれど、どれも刺激的な言葉で発言の真意に興味を持つことで歴史を知る端緒として充分。特に面白かったのはヤマトタケル、聖徳太子、紫式部、白河上皇、徳川綱吉、神尾春央、福沢諭吉あたり。発言を額面通りに捉えるな、という警鐘でもある。現代の政治家に呆れる切り口も流石。
2020/09/06
Ayumi Katayama
個人的にはこれが可笑しくって→『夜明けに、兄さんが便所に行くところを狙って、襲いかかってつかまえて、首をねじってしめ殺し、手と足を体から引きちぎり、こもに包んで投げ捨てました。あれで兄さんもよーくわかったことでしょう。』 これじゃあまるで、体力だけは長けた、でも何にも考えていないただのおバカか? などと思ってしまう。誰とは申しませんが(笑)。
2021/06/20
しゅわ
【図書館】タイトルの通り、暴言という切り口で日本の歴史を解説した本。その暴言の背景や意図…場合によっては誤解されている経緯まで etc けっこう深い話もあって楽しめました。特に大化の改新や壬申の乱など…勝者の理論ばかりでずるいなぁ~と私的には気になっていたところをつっこんでくれていたので嬉しかったです。 ライバル!?清少納言と紫式部の年代のズレに対する解釈なんかは「なるほどなぁ」とうなずく部分も多かったです。歴史に詳しい人はもちろん、あまり詳しくない人も…気軽に読める一冊だと思います。
2012/12/20
アルカリオン
清水氏による文章だけあって面白い。一味違う。福沢諭吉『脱亜論』の項で詳述されているが、「暴言・失言は比喩の使用が原因であることが少なくない」という指摘に納得▼▼最後にとりあげられる、マッカーサーの「日本人はまだ12歳の少年」もまさに比喩の問題である。比喩は、特定の文脈に沿って、わかりやすさや説得力を増強するために用いられる。比喩表現のみを取り出して、(ときに文脈から外れた)批判を行うことはいくらでもできる。こうした批判は文脈・状況次第で「当然の批判」になることもあるし「揚げ足取り」になることもある。
2021/10/09
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