日出処の天子 〈完全版〉/第6巻 (MFコミックス ダ・ヴィンチシリーズ)
日出処の天子 〈完全版〉/第6巻 (MFコミックス ダ・ヴィンチシリーズ) / 感想・レビュー
ぐうぐう
完全版で再読。「い 今 この手に摑んだと思った光が 射干玉の闇に変わる」厩戸王子の告白。それに応えるように口づけをする毛人。しかし、布都姫の存在が二人の恋情に亀裂を走らせる。この三角関係的展開は、どこからどう見ても少女漫画のものである。それが、歴史という舞台の上で描かれていることの興奮。それにしても、自分が住んでいる場所のすぐ近くの地名がバンバンと登場することで、さらに臨場感が増すなぁ。
2016/10/23
kagetrasama-aoi(葵・橘)
「わからぬか?」……あなたはそこまでわたくしを……この物語の屈指の名場面。王子の気持ちが痛くて痛くて、もうもう!ぜ~んぶ毛人が悪い!鈍感な毛人が悪い(憤怒)!主人公の王子にどうしても感情移入してしまうので、何度読んでも辛くて辛くて泣けてきます。それにしても歴史上の人物を破綻なくこんな風に描いた山岸凉子氏は天才ですよね。雑誌掲載時、大学生だった私は「歴史に忠実じゃなくて、もうパラレルワールド展開にして欲しい。」と切に願いながら読んでおりました。
2018/10/05
ぐっちー
「わからぬか」、と頬に涙を伝わせて真っ直ぐな目をした王子に、ズキュン。切ない恋の駆け引きが、いつしか政治や陰謀にまで影響してゆく。もう、誰も幸せにはなれない予感・・・。次巻で完結。
2012/05/21
コリエル
昼ドラばりのドラマティック展開。いやしくも大王を弑しようという大逆の場面において、このような愁嘆場を築き上げようとは。すべての蠢動が明らかとなった王子は、望みが叶えられることは無いのだろうなと。もし彼が毛人と結ばれ幸福を得ようものなら、欲望のために何でもする卑しい人間という属性だけが残ってしまうから。叶わぬからこそ悲劇性を備え得る。
2021/12/15
プロムナード
再読。帝との衝突がついに臨界を越える歴史的なうねりのなかで、王子と毛人との関係も抜き差しならない状態にまで持っていくストーリーテリングが凄まじい。炎上する倉梯宮で、布都姫をはさんで対峙する王子と毛人のシーンは間違いなく本作のクライマックスですが、王子にすっかり感情移入して読んでいると残酷で見ていられません。
2016/05/03
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