あの女(オンナ) (文庫ダ・ヴィンチ)
あの女(オンナ) (文庫ダ・ヴィンチ) / 感想・レビュー
ミエル
少し前に世間を騒がせた洗脳騒動のまとめ本。実はあまり内実を知らなかったので新鮮に感じたのだが、何冊もの合本にあたるせいか若干読みにくいところが多かったような。志麻子女史の作品の世界観そのもののようなダークサイド、しかもそれが現実に起きた恐怖ということに凄みを感じる。さすが実録系。読んでる最中に「あの女」が自分の部屋に来るんじゃないか?後ろに立ってるんじゃないか?なんて、わりと本気で怖かったり。読後にふと思うのが、結局「あの女」の目的、欲求って何なんだろう?という点。それが見えないことがますます怖い。
2015/12/07
つちのこ
工藤美代子著『なぜノンフィクションはお化けが見えるのか』に収録された対談を読んで手に取った。著者にまとわりついて離れない因縁の女を、シリーズ化して面白おかしく書いているようにも見えるが、冷静に見ると、これはとんでもなく怖い話だ。生身の人間でこれほど邪悪でおぞましい力をもった人がいることに驚くが、女の素性や生い立ちが分からないだけになおさら怖い。この女にも親や家族がいるのだろう。死霊の怪談話よりもはるか上をいく生霊の話は、鈍感な自分にも背筋が凍る一級品。生きている限り絶対に遭遇したくない世界だ。
2023/06/19
HANA
実話怪談としては東京伝説系になるのかなあ?それでもそういう定義には収まらないほど「あの女」のキャラは強烈。「東京伝説」などで書かれている明らかなサイコさんとは違い、どこにでも居そうなキャラというのがかえって恐ろしい。何となく大学時代にいたメンヘル思い出した。書下ろし部分の大部分を占めるのはやはり漫才コンビOのNさん騒動。別人だと断っているのは断っているけれども…果たしてそれは虚か実か。
2012/05/17
カッパ
実話をまとめた話ということです。虚言は誰しも少しはするでしょうけどここまでくるとひとつの名人芸なんでしょうね。どこかまともなところもあるからリセットしてたり。自分の心と身体を壊しながら過ごし、搾取されてる悲しいひとでもあるのでしょうね。なんともいえません。生き霊とかオカルト面も描かれていてまんぞくできる1冊でした。占い師の件は今では古い話題?!
2022/02/09
rakim
岩井さんの実話系雑誌掲載から「あの女」をまとめて。一時話題になった洗脳騒動の当事者は思い出すことがすぐ出来ます。でもあの女相当な人物は、出会わなかったことを幸いに思うしかないのが怖い。近辺に「後でわかった桁外れに嘘つきなあの女」というのがいたので。とはいえ、岩井さん、引き寄せている様にも見える。職業柄からかもしれないけれど面白がっていると怪我するわ、ともし友人なら言うかもしれません。
2016/01/08
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