怪談実話系/魔 書き下ろし文芸競作集 (文庫ダ・ヴィンチ)
怪談実話系/魔 書き下ろし文芸競作集 (文庫ダ・ヴィンチ) / 感想・レビュー
夢追人009
怪談実話系の9冊目テーマは「魔」ですね。全体的に軟らかい作品が多い中で私は京都を舞台にした伝統的な怪談らしい一編が気に入りましたね。『梅姫の話』本職は骨董屋で拝み屋さんの師範と呼ばれる方から聞いた話。女性に取り憑いた霊「梅姫」は恋人もいて幸せな人生を送るこの女が妬ましいから取り憑き苦しめ自殺させてやると言って不気味に笑う。許されぬ愛の為に殺された梅姫と下級武士・八十助の魂を何とか浄化した師範の勧めでこの話を本にした著者と妻を骨折・顔の腫れの不幸が襲い、梅姫の手下の低級霊の仕業と見破った師範に祓ってもらう。
2020/07/12
HANA
実話怪談系アンソロジー。まさかの円城塔が参戦。これ一人称二人称省いているのは意図的なんだろうなあ、おかげで何とも不安定な読み心地がした。他に別の意味で怖い方向行ってるんじゃないかと心配になる立原透耶や、除霊とかTVで放送できないビデオとか30年前のテイストが光る森山東、ほとんどエッセイの神狛しず、漫才みたいな朱雀門出等、実験的な作品も多い印象であった。これを読んでいると実話怪談が様々な方向に拡散しているような気がして、意外とこのジャンル煮詰まってきているのではないかと不安を覚える。
2013/03/20
☆kubo
立原透耶、森山東、朱雀門出が良かったかな。岩井さんはちょっと食傷気味。もっと新しいネタが欲しいところ。
2013/03/26
たか
こんな感じの実話系怪談もよい。通勤の電車でよんでると周りに人がいてそれほどこわくないけど。遅い時間に帰宅する時、ふと気づくと車両に誰もいない時はかなり怖い。
2021/11/17
シナモン
作家陣に“円城塔”と“海猫沢めろん”が居たので、興味を惹かれて読んでみました。円城塔の「あるなし三話」は不思議と不気味の中間くらい。最後のやりとりは少しぞっとしました。海猫沢めろんの「X島の怪談」はフィールドワークで訪れた島での怪談収集を描いたもの。この手の話はけっこう好みでした。その他でお気に入りは「レインボーブリッジ」「豹変の山」です。
2014/03/23
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