半分の月がのぼる空〈4〉 grabbing at the half-moon (電撃文庫)
半分の月がのぼる空〈4〉 grabbing at the half-moon (電撃文庫)
- 作家
- 出版社
- アスキー・メディアワークス
- 発売日
- 2005-02-10
- ISBN
- 9784840229364
半分の月がのぼる空〈4〉 grabbing at the half-moon (電撃文庫) / 感想・レビュー
とら
様々な人々の心の葛藤、交錯する過去と未来。そして生と死。何だか、自分の中で大切な作品になりつつある「半分の月」。山西に希望が出来、裕一には絶望が生まれた。そして山西も、あるいは夏目先生も亜紀子さんにも絶望というものは浸食していく。過去話を乗り越え、みんながみんな別の決意を固め、そしてそいつ等みんなの頭上には同じ半分の月が輝いていたー自分たちで掴み取った希望。もう死ぬ運命なのは変わらないのかもしれない、でも、それでもフィルムに収めたそれらは実在して永遠と残り続けるのだ。今を精一杯生きよう、そうすれば大丈夫。
2012/10/16
た〜
裕一君命がけのハチャメチャ。明かされる夏目先生の過去。いろいろ見所満載です。結局夏目先生はいいやつでも悪いやつでもないのかな?
2012/08/20
くろり - しろくろりちよ
主人公たちの周りに焦点を当てて。サイドストーリーとして繰り広げられる、ふたつのボーイ・ミーツ・ガール。心がすれ違ってしまったふたり。どんなに願おうとも、もう逢うことも叶わないふたり。夏目の若かりし頃の回想が、裕一と里香に重なって、離れて…ダブル主人公形式とも言える夏目サイドストーリーも、今までの行動が許されるものではないとしても、赦されるものでないからこそ、切なく、取り返しがつかない。共白髪。過去に苛まされる夏目。今を苦しみながら足掻く裕一。ほろ苦くやるせないふたりの物語、4冊目。
2013/02/22
瑪瑙(サードニックス)
夏目の過去が明らかになったわけだが、やっぱり夏目という人間が好きになれない。裕一と自分を重ねているようだけれどもそれは可笑しいと思う。夏目の独りよがりに過ぎないし、小夜子さんに失礼だと思う。全く亜希子さんの言う通りだと思う。亜希子さんカッコいい!そして益々裕一を応援したくなった。素直に夏目に礼を言う裕一は格好良いと思う。裕一の方が夏目よりもずっと大人だ。里香も裕一がいるからこそ生きる希望を持てたのだと思う。それにしても世古口兄弟恐るべし。益々司君のファンになった私です(笑)
2012/07/14
長尾鷹弥
里香と会うことができなくなった裕一。厳しく裕一に反発する夏目の、辛い過去もここで明かされることとなる。おそらく夏目は、里香の病状と今は亡き妻の秋庭小夜子の姿を折り重ねているのだろう。助けたいけど、助けることができない。どこかで大きな山にぶつかると、途端に飛べなくなってしまう里香の命。そのことを十全に理解できていない裕一に対して、彼は憤りを感じているのであろう。理屈は通っていても、感情ではそうではないだろうと異論を唱える谷崎の言葉には、何か重いものを感じた。里香も小夜子と同じ運命を辿るのか、続きが気になる。
2013/03/05
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