堀辰雄詩集 (世界の詩 38)
堀辰雄詩集 (世界の詩 38) / 感想・レビュー
みよかわ
美しかった。只々、美しかった。この本を手に取ったのは偶然で、購入したのも偶然だったけれど、とても良い買い物をしたと思う。堀辰雄の詩も良いけど、訳詩も素晴らしかった。本当、言葉が美しい。爽やかな優しい風に溶けてゆくような、美しい言葉たちだった。大好きな詩人の一人になった。
2014/07/25
渡邊利道
福永武彦編纂の詩、訳詩のアンソロジー。編者の愛情が偲ばれる構成で、基本素人の手遊びである詩と訳詩が、それゆえの愉楽が強く伝わってくる本になっている。リルケの訳が、堀辰雄でなくてはこうはならないと思わせるもので素晴らしい。
2016/06/07
Nick Carraway
堀辰雄の数少ない残された詩を、福永武彦が集めたアンソロジー。冒頭の立原道造が編んだ「詩集」の各詩編は、いかにも四季派らしい詩の数々。瀟洒でステキ。堀も立原も、ヨーロッパに行きたかったのだろうな。後半の訳詩集を読んでいると、一度も目にしたことのないヨーロッパ(特にフランス)のことにやたら詳しい堀の知識が、逆に悲しいものに思われてくる。堀の弟子筋でヨーロッパを目にする人々は、戦後の作家たちを待つしかなかった。遠藤周作とか。私はその辺の文学史には明るくないのだが、福永武彦は留学したのかな?
2023/01/16
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