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紅雀 (吉屋信子少女小説選 3)

紅雀 (吉屋信子少女小説選 3)

紅雀 (吉屋信子少女小説選 3)

作家
吉屋信子
出版社
ゆまに書房
発売日
2003-08-01
ISBN
9784843309964
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紅雀 (吉屋信子少女小説選 3) / 感想・レビュー

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kagetrasama-aoi(葵・橘)

吉屋信子さん。押入からの発掘本。

2024/02/05

青豆

意思が強く頑なである故に誰にも馴れる事ができず寂しげな少女まゆみの成長を描いた作品。汽車に乗車中に母親が急死し、偶然居合わせた辻男爵家の家庭教師の純子に救われ、弟と共に辻男爵家に身を寄せる。男爵家の未亡人と若き当主の珠彦と、その妹の綾子に温かく迎えられるも、その優しさに応えられず苦悩するまゆみ。教養と美しさを兼ね備え魅力的な少女が自我のナイフで自身を傷付け成長していく様子が美しい文章で綴られている。

2014/07/21

めめ

1930年頃の小説、多分。丁寧で優しい日本語、情緒のある描写、安心して読める少女小説。可愛らしい弟と、利発だけど頑な所のある姉。両親が死んでしまった所に現れる、親切な救いの手。意地悪な人もいるけれど、本人の努力や周囲に支えられる。最後の方は推理小説のような展開で面白かったです。ああ、こう繋がるのか、と感心しました。誤植が多いのがとても残念。巻末の解説にもあったけど、図書館で借りようとすると行方不明になってる事が多いそう。良い小説は大切に残していけたらなと思います。

2022/03/14

だだ

まるでサスペンス小説のような冒頭で一気に物語に引き込まれてしまうが、気丈で偏屈で万能な少女まゆみさんの、日々感じている苦しみや哀しみがもっと描かれていたならと残念にも思う。彼女の人物造形が浅くハッキリとした像を結ばないので、その言動の根拠や、それに対する回りの人々の感情が強く伝わってこない。彼女を形作ったハルピンでの生活や父親に対する慕情をもっと入れても良かったように思う。小公女のような筋立ては少女小説の王道だろう。いつか王子様が・・・ってのはいつの時代も乙女の夢なのかも。

2015/02/06

ni-ni-

身寄りのなくなった姉弟を引き取った、男爵家の家庭教師をしている純子。素直で人に愛される弟とは違い、姉のまゆみは強い自我を持て余し、孤独に苦悩する。百合的には少々物足りないかな。シンデレラストーリー的な感じ。まゆみと純子の関係は良かったんだけど、途中からあれれ?という方向に進んでいく。でも、貴族趣味がたっぷりまぶされていて、読み応えがあった。

2010/11/05

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