談志が遺した落語論
談志が遺した落語論 / 感想・レビュー
Sato19601027
5代目柳家小さんに入門、27歳で真打となり談志を襲名、47歳の時に落語協会を脱退し、落語立川流家元となる。毒舌を吐くイメージが強いが、「現代落語論」「談志楽屋噺」「新釈落語咄」「談志 最後の落語論」などの著書も多く、理論家で皮肉屋でもあった。落語は「人間の業の肯定」であるとして、芸の生き方として、イリュージョンを求めた。2014年に長男松岡慎太郎さんによって、生前の資料をまとめられた本。2011年11月21日死去(享年75歳)。命日には「立川談志ひとり会落語CD全集」から「芝浜」を聴く。
2024/11/21
はえ太
図書館本。 晩年の談志の生々しい”未練”が壮絶。「落語界にとって自分はマイナスの影響を残したのではないか?」という独白も辛かった。
2021/11/24
KOU
側から見ると落語という伝統芸能という枠の中で、これからも永劫続いていくだろうと思ってしまう。そんな中、これほどの危機感をもって真摯に落語に向かい合った家元の葛藤がリアルにまとまっている。あれほど毒を吐き、自信の塊のような家元の内側の一部を知るよい本だった。
2018/08/08
gtn
師・小さんへの愛憎。溢れる「愛」があってこその「憎」だと思う。そうでないと、師との仮想対談なんか綴るわけがない。
2018/02/15
二階堂聖
未発表の原稿や、編集者を相手に語り下ろした音源、大量のメモ書きなどをまとめたもの。 立川談志の落語を聞きたくなること必至。落語への愛情と、自分の客への愛情に溢れていて読んでいて心地よい。映画やTVはどんどんつまらなくなっているが、談志の落語は違うと言い切るかっこよさ。毒を吐いても客がついてくるかっこよさ。ああ素敵。 『落語はここまでなのか ここで滅びるなら滅びろ、その時代に生きた者だけのものなのか。なら、仕方がない。けど、落語の内容を知っておくと楽になるんだけどなあ、という思いはある。(P32)』
2014/06/18
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