稲垣足穂さん (立東舎文庫)
稲垣足穂さん (立東舎文庫) / 感想・レビュー
へくとぱすかる
「一千一秒物語」にすっかり魅了されてしまった人は、タルホ作品をもっと読みたいと思うだろう。しかしその科学的知識の洪水には、違和感を覚えるかもしれない。松岡正剛は、そういう作品こそが、タルホ世界の中心なのだと、そう言っているかのように稲垣足穂という人を語り続ける。用語が独特なので、非常にわかりづらいけど、もう一度「一千一秒物語」を読むことから始めてみたい。
2016/02/23
袖崎いたる
稲垣足穂という人への取っ掛かりを求めて。松岡さんの語りによって脳髄を揺さぶられ(た気がする)、その振動が肺腑へと走り抜け(た気がする)、タルホ作品の髄を「水面をピンピンと飛んでいる石」の如きニュアンス(彼は「介在性」という)で示されたり。けど見者の言葉は未見者には得てしてイミフ。…とはいえイメージの外部へと踏み出す一歩、あるいは宇宙の天窓をそっと覗くための踏み台を予感させるに足る含蓄はあった。たとえば小生の場合、橋を渡る頃に開けていた夕景とその感覚質とがなぜ事もなげに消息を攪乱せられるのか、などと怯懦。
2016/12/12
hiratax
稲垣足穂の本はちょこちょこと集めていてこれから読んでいこうと思って入門編的に手に取ったのだけれど、何を言っているのかわからなさすぎる。あと本書に出てくる「遊」の稲垣足穂追悼号ほか何号かを昨年、都内某所で拾ったんだけど、あれはまぎれもなく私が拾うべく仕組まれたものとしか思えないタイミングで橋のたもとにビニール袋にくるまれて捨ててあって、旋律した。あと最近の老成した松岡正剛の講演を聞くだけでも引きこまれたので、当時の人たちが受けた影響力の強さははかりしれないものがあったのだろうとも。
2016/05/09
黒い森会長
元本は1979年刊。松岡正剛35歳の時の本。文章がまだ突っ張っていて、今の人にはわかりにくいかな。でも、稲垣足穂を読むには、松岡正剛を通して読むのが、一番だと思う。読んでいるうち、懐かしくなって、「別冊新評稲垣足穂」などを取りだしたりしてしまった。
2016/03/18
キヨム
なんかこんなふうにタルホを語れるなんていいなあ。ずるいなあ。
2016/06/27
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