女生徒 (立東舎 乙女の本棚)
女生徒 (立東舎 乙女の本棚) / 感想・レビュー
ナイスネイチャ
図書館本。思春期の女子学生の心のうちを一日の生活で綴ってました。反抗期や大人に対する嫌悪感、背伸びしたいが大人になるのは嫌という微妙な乙女を太宰治が描く面白さ。
2019/01/28
寂しがり屋の狼さん
【乙女の本棚】シリーズ。大人は不潔で嫌い、何時までも清くあり続けたいと想いながらも、心と身体は自分の意思とは関係なく変化し少女から女性へ…大人と子供の狭間で揺れる思春期の女の子を描いた作品。『今井キラ』のロリータな挿絵が作品の世界に色を与え見事に引き込まれます💓『人間失格』とは違う太宰治が楽しめました(*^.^*)
2019/10/20
J D
太宰治何十年ぶりに読む。「女生徒」は初めてなはず。一言、面倒臭い少女だな。下着の刺繍と靴を買ってもらう代償に母の肩を揉む以外は、なんだその感情という感じ。朝起きてから夜寝るまでの少女の一日。誰しもこんな時期あるような無いような。充足感のない心は、こんな感じなんだろう。女生徒の姿を借りた太宰のつぶやきのような作品だった。挿絵は今井キラさん、さすが乙女の本棚の本領発揮。良かったです。
2024/07/27
gtn
朝は憂鬱だとか、飼犬「カア」が汚くて可哀そうと思う自分が嫌だとか、「女は、自分の運命を決するのに、微笑一つで沢山」であるとか、平凡な日常を繰り返しながら、些細なことで内省を深める少女。戦時下、"欲しがりません勝つまでは"と本気で思っていたのはほんの一部。大半は、この少女のように、自分の世界を守りながら生きていたのでは。ある意味レジスタンス。
2023/04/02
ままこ
好きな本に紹介されていて気になり読んでみた。京極夏彦さんの文体に似ている。独白体で綴られる思春期真っ只中の少女の1日。眼を覚ました時の気持ちの表し方が複雑すぎて面白い。新聞の本の広告文が1番楽しいというのも納得。おやすみなさいも詩的。太宰治が描く文学的瑞々しい中二病。今井キラさんの雰囲気ある麗しい絵がお話にぴったりで素敵。〈乙女の本棚シリーズ〉
2024/11/22
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