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ゴシックハート (立東舎文庫)

ゴシックハート (立東舎文庫)

ゴシックハート (立東舎文庫)

作家
高原英理
浜崎 容子
劇団イヌカレー
出版社
立東舎
発売日
2017-01-20
ISBN
9784845629848
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ゴシックハート (立東舎文庫) / 感想・レビュー

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コットン

文庫本になったので購入。日本の最もゴシック的作品が小栗虫太郎『黒死館殺人事件』、日本の漫画では楳図かずお『呪いの館』等、。ハンス・ベルメールらの球体関節人形や、攻殻機動隊、エヴァンゲリオンなども題材に。そして幻想文学の定義として:「過度の想像力の優位を延長した結果としての、あるがままのものに飽き足りない意識が紡ぎ出した世界の様相を語る文学」と。

2017/02/14

気になるアーバンギャルドの浜崎容子さんが解説を書かれてるということで本作を知って手にしましたが、とても面白かったです。ホラーやスプラッタがダメなわたしなのですが、わたしの中にも確かにゴシックハートはあると気付かされました。評論の中で取り上げられる作品たち、実際に好んでいる作品があったり、気になっている作品があったり。自分ではナチュラル志向だと思っていましたが、好むものはゴシックなんだな…と改めて思いました。ゴシックをすごくしっくりくる表現で論じてあって好きです。目次の並びを見るだけで眼福です。

2017/04/24

有理数

「ゴシック」という精神に関して複数の項目に分かれた論考が為されている。「人外」「異形」「廃墟と週末」など、そういう言葉を見聞きするだけでわくわくするような人間なのですが、それをゴシックと呼ぶことは知っていても、それを具体的に言葉にする手段を持ち得ていなかったので、様々な角度からゴシックを切り取る文章は非常に面白かった。自身が「評論とは一人の思考者の報告書」と語るように若干主観的だがそれがまたいい。偏愛の様が熱く、共感に溺れた。私ももっと自分のゴシックハートを満たしたい。

2017/02/05

阿部義彦

立東舎文庫の新刊。私の中には積極的ゴシック志向は無いのですが、文学そして音楽にしても、つらつらと挙げれば江戸川乱歩、澁澤龍彦、四ツ谷シモン、戸川純、ニューウェーブバンドのゼルダ、グラムロック、寺山修司、稲垣足穂、ダブテクノ、シュールレアリズム、ダダイズム、等などこの本で書かれた事と共通する物があり過ぎ!身体と異形の章では漫画にも触れて、楳図かずお、岡崎京子「ヘルタースケルター」「攻殻機動隊」その他ガロ系として根本敬や丸尾末広にまで触れているのに私の敬愛する「ライチ光クラブ」の古屋兎丸の名前が無いのが残念。

2017/02/05

浮遊

真っ黒な装丁に箔押しの題字、そして小口に刷られた十字。もっと幾何学的精神を!と澁澤に傾倒していたあの頃のわたしが惹かれない筈が無く、バイブルとなっていたゴシックハートが目出度く文庫化。自己肯定感は皆無なのにプライドだけは人一倍高く、他人に弱みなんて絶対に見せたくない。一も二もなく早く完全なる客体になりたい。なれないことなど余りにも自明、それでも、願う。せめて魂だけでも無垢でありたい。分類されたゴシック考は読み応え十分だけど、やはり刺さるのは10章の「人形」だった。

2017/05/29

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