アラバスター オリジナル版 (立東舎)
アラバスター オリジナル版 (立東舎) / 感想・レビュー
たまきら
以前手塚治虫のドキュメンタリーを見た時、「ブラックジャックは手塚さんが厭世観を持っていた時の漫画だ」というような描写があり、首をかしげていたのですが、この本を読んで著者の中に「人間はどうしてもだめなんだ」というようなあきらめと怒りの気持ちがあったのでは…と感じました。火の鳥だとそれでも次の進化に賭ける火の鳥の気高さがあるんですがねえ…。ロックのナルシストぶりは最高でした。
2021/01/19
ムーミン2号
いわゆる「黒手塚」の一つで、1970年から翌年にかけて少年チャンピオンに連載された悲劇的作品。反対の「白手塚」にだってダークな部分があるのだから、黒だの白だのと言うのもどうかと思うが、救いのないラストへ向けての悲劇の奔走に加え、ロック・ホームの人間性の醜さが別からこの作品を黒く塗りつぶしている。この本はオリジナル版で、単行本となったものには200頁に及ぶ改変がなされているらしい。その詳細は読み比べるしかないとして、作品としてはラストまで仕上がっているので、読み応えはある。
2019/01/01
蝉、ミーン ミーン 眠ス
死ぬこと以外の救いが一切なくだただ気が重くなる。
2019/01/24
怪人バルバリ博士
雑誌 少年に連載されていた『鉄腕アトム』の最後のエピソードに「火星から帰ってきた男」というのがある。謎の老人(火星人)に超能力を授けられた、顔の崩れた男ユダ・ペーターが要人を殺害するテロ行為を働くというものである。3回という短いエピソードで、それは予定通りだったのか、長くするつもりが雑誌休刊のため無理やり終わらせたのか、今となっては分からない。しかし手塚治虫はこのエピソードを惜しいと思ったのか、2年後ユダ・ペーターを転生させる、アラバスターとして。
2018/12/31
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