映画の正体 続編の法則 (立東舎)
映画の正体 続編の法則 (立東舎) / 感想・レビュー
ぐうぐう
『押井守の映画50年50本』の続編であり、映画の続編をテーマに語る『映画の正体 続編の法則』。編集者曰く「二匹目のドジョウを題材にして二匹目のドジョウを狙っていく」。これがやたらと面白い。押井が敬愛するリドリー・スコットをはじめ、キャメロン、スピルバーグ、デル・トロ等々、監督別に続編の意味を考察する。当然、監督によりパート2の捉え方は様々であり、だからこそいろんなパターンの続編スタイルが垣間見れ、そこから監督の資質、さらには観客も含めた映画自体の正体が(つづく)
2022/09/21
こうすけ
とても読みごたえがあった『押井守50年50本』の続編。これだけユニバース化が進んだ今の映画界で、続編という切り口で映画を語るのは必然か。うる星やつら、パトレイバー、イノセンス、と続編で名作を残してきた押井守だからこそ語れる監督論・プロデューサー論。映画監督とはどのような仕事なのか、作品選びの重要性や映画会社との関係性など、あまり知られていない側面が見えてくる。また、この本のシリーズを通して、押井守の幻の映画化企画がどんどん明らかになってほしい。リュック・ベッソンからオファーがあったなんて、夢がある…。
2022/07/23
kei-zu
映画業界を舞台としたマンガ「映画大好きポンポさん」で、「パート2映画は、最初から商品だ」という台詞がありました。本書は、続編映画から「映画の正体」を探ろうという試み。 押井監督が「自分は続編映画を数多く作ってきた」という発言には、なるほど。「ビューティフル・ドリーマー」を初鑑賞した時の衝撃は忘れません。 キャメロンが大量のエイリアンを相手に「戦争」を描写したのに対し、リドリー・スコットはエイリアン自体に興味なかっただろうと、「プロメテウス」を踏まえて行う分析などが楽しい。
2022/08/20
本の蟲
本作自体『押井守の映画50年50本』という映画評本の続編にあたるが、前作未読でも全く問題ない。学生時代を最後にろくに映画を観ていないが、有名監督のテーマや作風、人となり。出てくる例は超有名作品ばかりで、べらぼうにおもしろかった。なぜ続編が作られるのか? 観客はリスクを避けて満足したい。プロデューサーは手堅く成功し、あわよくばシリーズ化したい。監督はやり残したことに挑戦したい。3つの視点から映画の本質に迫り、そこに予算や観客動員予測、兼業も多いプロデューサー・監督のバランスや、優先順位も加わってくる(続①
2022/08/28
山口透析鉄
市の図書館で見かけて借りた本、ちょっと時間がかかりましたが、大半を本日12/10に読みました。 押井守氏の映画論という感じで、見ている作品とそうでないものが色々あり、氏の考え方がよく分かりますね。やはり普通に頭脳明晰な方ですので、参考になるというか。 個人的には巻末近く、宮崎駿監督について語っている章がベストだったでしょうか。お互い能力もあって手の内もよく知っている間柄でしょうから、割と遠慮がありませんでしたしね。 巻末にちゃんと索引が付いているのもポイント高かったです。 他の本も読みたいですね。
2022/12/10
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