ルルとミミ (立東舎 乙女の本棚)
ルルとミミ (立東舎 乙女の本棚) / 感想・レビュー
寂しがり屋の狼さん
『乙女の本棚』シリーズ31冊目📚夢野久作さんは『死後の恋』『瓶詰地獄』に続き3作目、押絵は同シリーズで「魚服記」「山月記」「赤とんぼ」などを手掛けた、ねこ助さん(◕ᴗ◕✿)幼い兄弟の刹那くて、優しい愛の物語。
2023/11/07
なつきネコ@中の人だよ!
なにげに夢野久作を読んだことないな。 耽美な作品のイメージはあったが、こんな感じなのか。文章も耽美で美しい。かわいそうな兄弟。死に別れて泉の底に沈む兄。一人残され悲しむ妹。ルルとミミという2人の兄弟愛は深い。泉の底の国、鳴らない鐘、美しい水死体のあたりに西洋的な耽美さを感じる。特に美しい水死体は西洋絵画でもよく使われる解題。美しい兄弟の悲しい死だけど、ルルの泉の国への哀愁や、ミミの兄への想い。女王様の願いを見るに。この最後がこの兄弟最後の落としどころなのかなと思った。しかし、ねこ助さんのイラストも美しい。
2024/10/13
優希
救いのない物語ですが、儚くも美しく感じました。久作は兄妹に特別な想いがあるのでしょうか。
2023/11/05
ちえ
絵が夢野久作の書いた物語にマッチしていて幻想的で美しい。話の内容もとても好み。これは…二人は幸せになったということだよね、とラスト悩む。こういうのをメリーバッドエンドというらしい。
2023/12/29
ぐうぐう
童話とは、時に残酷さをむき出しにする。鳴らない鐘を作った自分を許せず、湖に身を投げた父の代わりに鐘を作ることになったルル。しかしルルの作った鐘も音を響かせることなく、父と同じようにルルも湖に消えてしまう。残された妹のミミは、兄に会いたい想いを湖で咲く睡蓮に願う。ここで描かれる湖の世界は、あの世であり、夢であり、理想の世界でもある。そこから眺める現実世界は、実に殺風景に映るものだ。兄妹の決断は、現実世界から見れば悲劇だが、二人にとってはハッピーエンドに他ならない。(つづく)
2023/06/27
感想・レビューをもっと見る