バベットの晩餐会
バベットの晩餐会 / 感想・レビュー
藤月はな(灯れ松明の火)
この本を図書館から借りた時に父に「懐かしい!しかも岸田今日子の翻訳の美本か!」と言われました。最近、映画館でデジタル・リマスター版が公開されましたね。清貧を尊ぶプロテスタントの姉妹に仕える、革命によって家族を喪い、亡命してきたカトリック信者、バベット。そんなバベットが望んだことは豪奢を凝らしたフランス料理を人々に食べてもらうことだった。その料理は人々の心すらも解す。バベットの誇りに無性に嬉しくなる。選ばなかった人生。それでも時は移ろい、ある一瞬を持って人々の日常は幸福に包まれる。その一瞬はとても美しい。
2016/04/13
紫羊
まず映画を観て魅了されました。その後、ちくま文庫の舛田啓介訳を読み、物語の舞台が、ノルウェーのフィヨルドからデンマークのユトランドに変わった以外は、本当に原作に忠実な映画であることに驚きました。岸田今日子訳のこちらの本は、シネセゾンの発行です。イラストや映画の写真も多く、本の装丁が素敵です。どちらの訳もそれぞれに味わいがあります。
2015/03/13
さや
これを言ってはお話にならないんだけど、皆もっと人生を楽しめばいいのに・・・。美味しい食事は重要ですよ。「あとがき」みたいな「深読み」で、「選択しなかった人生も自分の人生の一部」ってのに、ハッとした。そうか、そういう考え方もあるのか。っていう気づきと、同じ本を読んでそういう考察になるんだ~って言う気づきで。
2012/07/01
くまこ
ぜひ映画で見たいと思った。きっと料理が素晴らしいんだろうなあ。
2014/08/15
黒猫グリ子
昔観た。強い印象の残る映画、の原作。2つの翻訳があったが、岸田今日子さんが好きなのでこちらを。綺麗な装丁が作品を引き立てていて嬉しい。小さな村での信仰と停滞した日常の繰り返しと小さな恋と。それらが一夜、バベットの芸術作品の前で一同に会し、幸福に向かい昇華されてゆく。何よりもバベットの「私は芸術家です」という言葉が好き。
2015/02/11
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