風雲児たち: ワイド版 (第2巻) (SPコミックス)
風雲児たち: ワイド版 (第2巻) (SPコミックス) / 感想・レビュー
朝日堂
「示現流」を取り上げてみる。薩摩藩、東郷藤兵衛重位を流祖とする剣術である。これは非常にわかりやすい剣術で、普通剣術には上段、中段、下段などがあるが、示現流には一切ない。あるのは大上段風の八双だけであり、したがって斬り口はカラ竹まっぷたつ、あるいは右けさ、左けさの三つしかない。要はぶっ叩くのだ。単純な剣法だから勝てそうなのだが駄目である。なまじの真剣でも木刀に折られるし、かりに受け止められてもそのままやられてしまう。二百数十年後、近藤勇をして「薩摩の芋侍の初太刀は絶対に受け止めるな」と言わしめた程である。
2013/07/22
禄
関ヶ原後、家康は幕府を開き江戸時代が幕を開ける。すぐに将軍の座は秀忠に譲るも、家康は駿府より徹底した政治工作で基礎固めを行い、ジワジワと豊臣家を追い込んでいく。この漫画はギャグの合間にときおり描かれるシリアスな場面もまた魅力で、2巻では家康が長男信康を失った悲しみを生涯抱いて生きていたかもしれないという話と、静の父親の「運命とは決してよそからくるものではないぞ。わかっていようがいまいが自分できめて自分できりひらいてゆくものだ」が印象に残る。その後の「わしは...」以降の台詞も深い。そして大坂冬の陣へ
2021/08/22
白義
二巻は関ヶ原の戦後処理から大阪の陣まで。敗残者への家康の苛烈な処断に、生き残りをかけた毛利や薩摩の思惑が丁寧に描かれていく。どうせならと盛り込んだ山内一豊の立身出世物語を、軽いギャグから進めながら土佐の反乱平定シーンでサイレントな虐殺描写で一気に進める緩急が緊張感があっていい。更に、そこから「怨」の一文字を幕末の徳川体制に対する反逆の伏線として敷く大河ドラマとしてのストーリーの明確さも渋い。もちろん説自体は全体的に話にならないほど古くて、これで学んだ歴史をそのまま、というわけにはいかないが最上級のドラマだ
2018/12/23
筑紫の國造
続けて読了。関ヶ原合戦後の、東西両軍の後始末を描く。きちんと幕末に向けた布石について触れてあるのが嬉しい。著者は大坂の陣を描くつもりはなかったらしいが、どうも次巻で書かれるようだ。思えば、この時敗者の側に追いやられた大名たちが後に徳川幕府打倒の主導力になってゆくんだなあ。 巻末の「ギャグ注」ではギャグだけではなく、その後の研究で分かった成果もきちんと触れられているので、その点も嬉しい。長編シリーズだが、読み続けたい作品だ。
2018/02/13
ミナ
1巻よりもわからないギャグ要素は少なめで読みやすかった。千姫とかすごく可愛く描くけど男性はこんな美形には誰も描かれない。我が家にあった「将軍」のパンフ。何てタイトルと思ってたけど、主人公が三浦按針だったのか。
2020/11/21
感想・レビューをもっと見る