文芸翻訳入門 言葉を紡ぎ直す人たち、世界を紡ぎ直す言葉たち(Next Creator Book)
文芸翻訳入門 言葉を紡ぎ直す人たち、世界を紡ぎ直す言葉たち(Next Creator Book) / 感想・レビュー
ちんれん
英語ドイツ語韓国語あと何語か忘れたけど、色んな言語の小説の翻訳、映画の翻訳などに携わる人たちが、外国語と日本語の間で、物凄い自虐と葛藤と感動をまとめた内容。 SNSで見つけた外国語学習仲間?が紹介していて、買って、今回日本から持って来て読んでみた。 普段、中国語と日本語に挟まれて、端折ったり、端折られたり翻訳通訳で悶えているので、面白く読めた。 これまで翻訳本は全然読んでなかったけど、今後は増やしていこう。
2018/02/10
タイコウチ
現役の海外文学の翻訳家の方々が語るポスト柴田・村上時代の翻訳の実践と考え方(著者によっても違う)。面白かったのは、翻訳がその言語(英→日であれば、日本語)を変えていく可能性で、翻訳文学を読んで育った日本人作家の文体ですでにそれが見られる。笠間直穂子さんによる、ヨーロッパ系の言語を日本語に訳すとき原文の単語の順番をなるべく崩さない理由になるほどと思う。単語が次の単語を呼びよせることによって作られる言葉の思考の流れがあるということ。「その作者が直接書いたように思わせる文章を書くことを心がければいい」(西崎憲)
2017/11/12
法水
藤井光さんを編者に、沼野充義さん、西崎憲さん、温又柔さん、戌井昭人さんらが執筆。帯には「翻訳を始めたばかりの人、海外文学をもっと楽しみたい人」に最適な入門書とあるけど、むしろこれまで海外文学を敬遠してきた人にこそ読んでもらいたい。中では、翻訳家が質問に答えるコーナーで、オルハン・パムク作品の翻訳で知られるトルコ文学者の宮下遼さんの答えが文学的かつ若干ピントが外れていて面白かった(阿部公房という誤植はあったが…)。
2017/04/05
御餅田 もちこ
「作者が脳裏に描いていた絵と違う絵を読者に描かせてそれで翻訳と言えるだろうか。」 ただ言葉を置きかえるだけではない。その本の持つ雰囲気、息遣い、リズム。それらを最大限伝えようと葛藤する翻訳家の姿がうかがえる。ありがたいなぁ。藤井光さん、笠間さん、成井さんの章が特に好き。こういう日本語の使い方があったんだ、と日本語の再発見ができるのも翻訳の見どころの一つだと感じた。
2018/06/10
timeturner
いろいろな言語、いろいろなジャンルの翻訳者さんたちのアドバイスは、基本のところは一緒でもひとりずつ微妙に違っていて、どれもすごく参考になる。藤井光さんの翻訳模擬授業の最後、グーグル君やエキサイト君などネット学生達(?)の訳例に大笑いした。やっぱ使えないよねえ。
2017/09/12
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