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目の見えない私がヘレン・ケラーにつづる怒りと愛をこめた一方的な手紙

目の見えない私がヘレン・ケラーにつづる怒りと愛をこめた一方的な手紙

目の見えない私がヘレン・ケラーにつづる怒りと愛をこめた一方的な手紙

作家
ジョージナ・クリーグ
伊藤亜紗
中山 ゆかり
出版社
フィルムアート社
発売日
2020-08-26
ISBN
9784845919192
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目の見えない私がヘレン・ケラーにつづる怒りと愛をこめた一方的な手紙 / 感想・レビュー

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trazom

「どうしてヘレン・ケラーのように出来ないの?」と言われて育った視覚障碍者によるヘレンへの手紙である。原題はBlind Rage。怒りに満ちている。ヘレンの数々のスキャンダルを暴き、どうして聖人の役割を完璧に演じ続けるのかと非難する。意図的な情報操作でヘレンを操るサリヴァン先生をも糾弾する。しかし、「奇跡の人」という神話を剥ぎ取る露悪的な手紙が、徐々に、すべてをわかった上で演じ続けたヘレンの人生の悲しさに寄り添ってゆく。同情や過保護に甘えることなく生きている著者が、ヘレンと和解する結末は感動的。いい本だ。

2021/01/17

かさお

「どうしてヘレン・ケラーのように出来ないの?」盲人である筆者は、こう言われる度にヘレンに文句を言いたくなったという。親愛なるヘレン、三重苦を克服し、小説家、事業家、慈善活動、シンボルとして成功し神話となった貴方へ、でも貴方は本当の事を語っているの?先生と貴方と彼の本当の関係は?偶像化した世間への憤りは?盲人である筆者だからこそ描けるリアルな触覚と嗅覚の描写。リアルなヘレン像はけっこう衝撃的。奇跡の後にも日々はあった。そしてサリバン先生が死ぬまでの共依存的な関係性には正直ゾッとした。創造性ノンフィクション。

2022/04/26

たまきら

「どうしてヘレン・ケラーのように出来ないの?」…なんてことだろう、そんなふうに比べられたなんて…。著者の怒りは正当なものでしょうし、弱視の立場からのことばにはそれなりに重みもありました。けれどもヘレン・ケラーへのねちねちとしたからみ方は正直不愉快。陰にこもっていて読んでいると悲しくなってこちらが病みそう…。偉人=幸せではないという事実に著者が行きつくまでの岐路を重く受け止めました。溜息。

2021/01/26

くさてる

題名から想像したのは、偉人であるヘレン・ケラーへの手紙という体裁をとった、視覚障碍者の生活に関するエッセイとかそういうもの。とんでもありませんでした。視覚障害を持つ教育者である著者が、ヘレン・ケラーの人生を現代の女性の観点から見つめ直し、憑依するかのような勢いで再構成していくエネルギッシュな取り組みです。ヘレンと恩師の関係、あの時代に障碍者として生きることについての生々しい実感をともなう文章は読みごたえがあり、素晴らしかったです。「ウォーター!」のイメージとは違ったヘレン・ケラー像がここにあります。

2020/11/11

marumo

ヘレン・ケラーは悪霊だそうで。目の見えない人が「どうしてヘレンのように頑張れないの?」と言われるとか。ヘレン・ケラーが盲人のハードルをおそろしくあげてしまっていると言うのですが、はえ〜という感じ。アルアルなんでしょうか…。盗作疑惑事件のときにヘレンが優等生的に振舞ったことへの苛立ち、性について生々しさが欠けることへの不信などなかなか攻撃的です。ここまで書くなら、もうヘレンになりきって返信も自分で書いてみたら面白かったのに、と思いました。違和感も覚えましたが、意外な角度から偉人を見ることがてきました。

2021/01/11

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