陶人形の幻影 (論創海外ミステリ 25)
陶人形の幻影 (論創海外ミステリ 25) / 感想・レビュー
翠埜もぐら
アリンガム後期の作品は、ルーク警視物になるのですが、彼にあんな個人的事情があることは初めて知りました。パパだったのね。しかもやもめ。今回もキャンピオン氏は狂言回しで最後の最後にちょっと解説程度でしたが、若い二人の女性の方がしっかり者というのはなかなか気持ちの良いものでした。ロンドンの古き良き景観をぶち壊す新興住宅で起こった破壊行為、自分のルーツ探しに走り回る青年とその恋人。何と言っても強烈だったのは乳母のブルーム夫人。人物描写が面白くて最後もほっこり救いもあって事件そのものはもうどうでもよくなってたなぁ。
2023/11/12
紅はこべ
ミステリというより、ロマンティックサスペンスの色合いが強い。それにしても英国ってつくづく階級社会だな。
2009/05/28
有沢翔治@文芸同人誌配布中
幸せの絶頂だったティム・キニットを襲ったのは、婚約者、ジュリアの父からの一方的な婚約破棄だった。どうやら原因はティムの家族の秘密にあるらしい。駆け落ちをするが、ティムも独自の調査を進める。そのうちに出生の秘密が明らかになっていく。百二十年前にキニット家では殺人事件が起きていることが明らかになるが……。https://shoji-arisawa.blog.jp/archives/50832758.html
2009/05/22
植岡藍
アリンガムさんは読みやすいなあー。訳がいいのかな。さくさく読めるサスペンス。焦点が絞りきれてない感はあるけど、いろんなエピソードが絡み合う中盤は面白い。アリンガムの作品を読んできてここまで来ると、名探偵のその先、探偵が一般人になっていくということを描いているようで興味深い。今作のキャンピオン氏は本当にただの一般人なのだ。
2017/12/18
J・P・フリーマン
ある青年が自分の出自を知るために婚約者のもとから飛び出ていく。最後の方に唐突な殺人事件が起きるが、それまでずっと青年の出自の方に焦点が当たっていたので、なんかしっくりこない。
2016/07/05
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