鮎川哲也探偵小説選 (論創ミステリ叢書 106)
鮎川哲也探偵小説選 (論創ミステリ叢書 106) / 感想・レビュー
geshi
巨匠の入手困難な作品や別名義作品そして未完の遺稿をまとめたコアなファン向けの作品集。『白の恐怖』は評価低いのも致し方なし。サスペンスの雰囲気作りはいいのに明らかに枚数足りずに走ってしまっていて、肝心の仕掛けがうまく噛み合っていない。そのセルフリメイクである『白樺荘事件』は星影龍三シリーズではなく三番館シリーズへと変更したからユーモア色を前に出してくる。これから連続殺人劇の幕が上がるという所で絶筆となっているのが、分かっていはいても残念。良くも悪くも昭和の空気を感じさせる作品が多かった。
2017/12/30
西
鮎川哲也さんの長編で唯一読めていなかった「白の恐怖」が読めて良かった。ラストのある真相は全く頭になく、時代を考えると決して凡作ではないと思う。そして絶筆となった「白樺荘事件」。白の恐怖と異なる部分が出てきて、どのような展開を考えておられたのか、すごく興味深い。無粋かもしれないけど、有栖川有栖さんとか折原一さんとか、続きを書いてくれないかなあ。この作品を刊行してくださった論創社さんに感謝。
2019/02/25
ふう
「白の恐怖」と「白樺荘事件」がメインの作品集だが、他にも昭和のかほりムンムンの大人向けジュブナイル(矛盾)みたいな超短篇たちがこれまたいい味出してる。挿絵もすごくいい感じ。「遺書」、「殺し屋の悲劇」が好み。「白の恐怖」が結構楽しめたので未完の「白樺荘事件」が返す返すも惜しい。あぁ最後まで読みたかったなあ。
2018/02/05
はまちゃん
鮎川哲也氏の短編・中編、そして未完のまま終わってしまった「白樺荘事件」を収録した作品集。昭和の香りが漂う作品が多いが、これはこれで楽しめる。「白の恐怖」を改稿した「白樺荘事件」がどんな感じで展開されていくのか読みたかったなぁ。残念ながら鮎川氏の作品はほとんど読んだことがないが、「黒いトランク」くらいは読んでみようと思う。
2022/11/06
しゅー
白の恐怖面白かったなぁー。昭和感漂うお話し。 作者未完で亡くなるのは残念だが未完でも本にしてくれる人がいるというのは愛されている事なんだなぁ
2019/04/04
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