援交から革命へ: 多面的解説集
援交から革命へ: 多面的解説集 / 感想・レビュー
ころこ
凄いタイトルの本ですが、書いてあることは現在の映画評論とそう変わらない印象を受けます。当時は社会に壁のようなものがあった。社会に問いを立てることに意味があった。現在は、同じことが直ぐに政治に回収されてしまう。批判は当時壁から来た。現在は左右両派から来て問いがかき消されてしまう。そのために社会の問いを、映画批評に偽装しなければならない。ということで分かる人には分かる、いかにも昔の社会学っぽいテレパシーのような文章ですが、決してテレクラや援交に偽装はしていません。それらは彼の考える社会そのものだからでしょう。
2021/12/24
阿部義彦
小説や漫画作品の巻末に収録された解説や映画パンフレットに収録された解説をまとめて1冊の本にして、解説された本の作者がそのリアクションを併せて編集したものです。宮台さんの名前を知ったのは『終わりなき日常を生きろ』等の著作からでしたが、何よりも信用できると思ったのは少女漫画を読み込んでいる事や、宮崎駿的なものを否定している所です。私も宮崎駿は全然興味が無く、同じ感性を持つのはコラムニストの中野翠さんだけで淋しかったですが男性で賛同者が出て自信が出ました。日本が駄目なのを痛感してる学者代表、地獄を見ましょう。
2023/02/18
みな美
どのジャンルでも人文社会科学系のコミュニケーションに関わらなければ議論できませんでした。私たちは恐らく社会という主語を使って思考できる最後の世代だったと思います。個々の知識は全く問題でなく、その知識の集積が意味する実存に私の注意は向いています。内発性がなければ、知識はクズです。何の役にも立ちません。
2013/10/09
yamayuuri
宮台氏が書いたさまざまな本に対する書評・解説が掲載されている。テーマは郊外・自意識・サブカル・性など宮台氏らしいテーマから天皇といったものにまで及んでいる。彼の解説の慧眼さに著者たちの多くは驚いている。表出と表現、1970年以前の団地と以降のニュータウンの違いなど、書き手が「ここだよ!」と思うような点を宮台氏は突いている。試行錯誤論も再び炸裂していて、宮台全集みたいな気がする。
2010/05/07
pochi
2001年 12月15日
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