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憂鬱探偵

憂鬱探偵

憂鬱探偵

作家
田丸雅智
出版社
ワニブックス
発売日
2023-02-17
ISBN
9784847072543
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憂鬱探偵 / 感想・レビュー

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タイ子

西崎徹、探偵事務所を開業したはいいが依頼人が誰も来ない。来たのは探偵志望の元気はつらつの女性・若菜。若菜の頑張りで事務所に依頼人がやってくるが、これが並の依頼事ではない。足を踏まれる事が多いだの、注文しても料理が後回しになってくるだの、服が他人とよくかぶる、果ては月曜日が憂鬱になるとかそんな事は自分で始末をつけろと言いたくなるような事案ばかり。これは憂鬱にもなるわな。だが、探偵は依頼人を裏切らない。はぁ?ってなるけど笑ってしまう、クセになる面白さ。この発想どこから来るんだ?依頼は憂鬱でも結果は明朗解決。

2023/02/26

aquamarine

この題名でミステリじゃないのは読友さんたちのレビューで知っていた。表紙絵がやたら不気味だが、実際は少し長めのショート・ショート。よく足を踏まれるのに原因があったり、自分だけなかなか料理がこないという相談が別ベクトルに進んで行ったりと、ミステリとして読み始めていたら当惑していただろう。ショートショートが探偵西崎への依頼という連作の形で進むとというつくりは斬新。斜め上の原因にも驚くがちょっと笑える〆もいい感じ。好みは「保存しないままファイルを閉じる」「ジャンケンでいつも負ける」「スマホの充電がすぐなくなる」。

2023/07/30

seacalf

足を踏まれる、なかなか料理がこない、ジャンケンでいつも負ける、スマホの充電がすぐなくなる、服が他人とかぶる、月曜日は気分が沈む、などなど日常にひそんでいるちょっとした憂鬱なアレコレを華麗に解決!と思いきや、イヤイヤ渋々と調査に乗り出し、それぞれにぶっ飛んだオモシロ設定があるというショートショートもの。現実的な日常系ミステリと思いきや肩すかし。とはいえ、ネガティヴな事をユニークな想像力で笑いに変える余裕は欲しいところ。今度嫌な事に遭遇したら、この本の真似をして発想力で乗り切ろう。

2023/06/14

yukision

満員電車で靴を踏まれるとか街中で他人と服がかぶるとか,取るに足らないような日常の憂鬱な出来事に真剣に取り組む探偵。その裏には呆れかえるような理由が見つかるが,ほんわか優しい世界でもあるのがいい。肩の力を抜いてさらっと読める。

2023/12/12

sayuri

「足を踏まれる」「なかなか料理がこない」「保存しないままファイルを閉じる」「ジャンケンでいつも負ける」「靴下をよくなくす」「スマホの充電がすぐなくなる」「服が他人とかぶる」「パスワードのリセットメールがぜんぜん届かない」「月曜日は気分が沈む」9話収録の短編集。各タイトルを見ただけでその憂鬱さが伝わる。間違っても探偵に依頼しそうもないこれらの案件を憂鬱探偵・西崎と助手の若菜が調査し解決に導いていく。発想の飛ばし方が半端ない。もはや依頼内容を忘れてしまいそうな展開に苦笑。装丁も含めシュールでぶっとんだ作品集。

2023/04/17

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