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翻訳文学ブックカフェ / 感想・レビュー
やまぶどう
海外文学は訳者というフィルターを介して提供されるため、訳者がその作品の良し悪しを大きく左右する。だから素晴らしい海外文学を読むと逆に訳者にも興味が湧いてくる。この本には12人の訳者の作品への思いや、文学体験などが詰まっている。海外文学を読み始めて日の浅い私にとっては海外文学読書の指南書であるうえ、比較的新しい海外文学の訳者の話なのでそこそこに既読本もあり、訳出時のエピソードにも触れることができて何度読んでも楽しい。
2009/07/05
mejiro
名翻訳家11人とのトークを収録。こぼれ話など、対談だからこそ出てくるおもしろい話がいっぱい。作品への深い理解、翻訳に対する姿勢など感心するばかりだった。彼らが接する作家たち、普段は黒子に徹する翻訳者の横顔が見られる。好企画から生まれた本。
2015/03/22
ネロリ
11人の翻訳家が、作品と出会った経緯、どう感じ、どう訳して行こうと思われたか?作者との交流や、訳者から見た作者像、今後訳してみたい作品への思いなどを語る。ますます翻訳書を読むことが楽しくなりそうだ。原作から日本語に置き換えるときの留意点や意訳の幅に見える個性と苦心を読むと、申し訳ないけど読者としては嬉しい。少し脱線気味の話では、越川氏の語ったティーヴ・エリクソン来日エピソードや、春樹氏の、“存在しない本について書いていた”告白などが面白かった。
2012/10/26
viola
若島正、柴田元幸、鴻巣友季子、土屋政雄、村上春樹ら、著名な12人の翻訳家との対談集。 意外なところで、「えっ、うそ、これってこの人の訳だったんだ!」なーんて発見をしたりします。 好きな翻訳家が増えていく・・・・・というのも、また読書の醍醐味だったりしますよね。 パート2も近々読みます。
2010/08/03
aoneko
とても面白かった。12人の訳者と著者がライブで語り合う対談集。それぞれの訳者からみた作者像、作品を選ぶ基準、訳す際大事にしていることに始まり、訳者が同著者の作品中とくに好きな作品などなど。岸本佐知子さんの作品選びの基準が、「作者が自分より変であること」や、越川氏のヘンタイへの拘りなんかは、なるほど。と思ったり、紹介される作者や作品と同じくらい、訳者のお人柄がどことなく訳す作品のイメージと重なるのもおもしろいなと思った。
2013/06/23
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