ミステリ編集道
ミステリ編集道 / 感想・レビュー
いちろく
著者と編集者の関係。それは、水と油なのか?それとも、混ざり合って素敵な作品を産み出すキッカケになるのか?長年、ミステリ畑の編集に関わり引退した元編集者のインタビュー形式で綴られる本書。とある名作が誕生した裏話ややり取り等、普段は出版された本という形でしか目にしない私には興味深く読めた内容も多数。特に、大好きな鮎川哲也賞の名がついている鮎川哲也さんのエピソードには、思わずクスリと。問題は、更に読みたいミステリ本が増えてしまった事。
2015/09/21
緋莢
江戸川乱歩が編集していた『宝石』を支えた男、未完の伝奇小説『神州纐纈城』を復刊させ、後代に大きな影響をもたらした男、数々の人気作家を『幻影城』でデビューさせた男etc草創期から現代まで活躍した編集者13人へのインタビューから、戦後ミステリ出版史を解き明かす。
2015/09/06
しんこい
編集者が出てくる小説で、作品を作るのは作家だとののしられていましたが、この本に出てくる人たちは作家が活躍する舞台を設えたり、作家自身が切り捨てた部分を見つけて新たな境地を開かせたりと、この人がいないとあの作品は出なかった、読む機会はなかったみたいなお話がたくさん。昔の大学生は大衆文学を読まないのが普通とか、そんな感覚もありませんでした。大坪氏は小林作品のゴム仮面とは思えないが、あれは創作かなぁ。
2015/09/18
まさむね
昭和時代を中心にした、ミステリ界の伝説的な編集者へのインタビュー集。とにかく貴重な証言だらけで、今の日本のミステリがこれだけ成熟したのは、この方々が道を作ってくれたからに他ならないと痛感する。世代を問わず、全てのミステリファンにとって必読の一冊だと断言したい。
2015/06/01
たんぽぽ
良い本、優れた作家が生まれてくる裏には有能な編集者がいた時代のお話。編集者が面白いからこれやりたい!と思えば、会社もそれを許した時代のお話。今はずいぶんと窮屈で息苦しい時代になっちゃたんだなぁと思う。 こういう貴重な話も、いまどきの若者からみたら、じーさんの自慢話になっちゃうのかしら?そうだったら悲しい。
2015/07/03
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