マイナス50℃の世界
マイナス50℃の世界 / 感想・レビュー
アキ
北極より寒い国、ヤクート共和国にテレビの取材で訪れた米原万里の最初の著作。子ども向けの文章に写真も多く読みやすい。マイナス50℃以下の世界ではマイナス21℃も暖かく感じる。永久凍土に暮らすということは常識が通じない。200年前に大黒屋光太夫は漂流しエカテリーナに2世に会い帰国したが鎖国のため30年間幽閉され生涯を終える。ヤクート族は南方起源らしい。戦闘的な民族からおいやられてここで定住した。ヤクート語には罵る言葉がない。弱くておとなしい小民族のしたたかさとたくましさが感じられる想像を超える世界でした。
2019/05/20
☆よいこ
シベリア、サハ共和国(元ヤクート自治共和国)はモンゴル系民族で、顔つきは日本人そっくり。マイナス50℃の世界は私たちの常識では想像もつかないことばかり。家は傾く、町の中は[居住霧(きょじゅうむ)]に覆われ、釣った魚は3秒で凍る。スキーやスケートはもっと温かい季節にしかできない。▽TBSテレビのシベリア横断取材に通訳として同行した著者が[毎日小学生新聞]のために書いたものを再構成して出版したもの。とても読みやすく、未知の世界を知ることができる。
2018/09/18
James Hayashi
著者の処女作。我々の常識が覆される世界。傾いた家、スカートを履いたビル、真冬に外で干す洗濯物。何故こんな寒さの中、定住するのであろう?どんな職業があるのか?ここは世界有数の鉱物資源大国だという。しかし数百年前には資源など見向きもされていないだろう。野菜のない国であるが、壊血病にならない食事。極寒ゆえウィルスも蔓延らないのかもしれない。ビニール、プラスチックが使えない(銀狐の養殖など天然のものを重宝)なおかつ長寿国である事実に驚かされた。
2019/08/04
ochatomo
TBSシベリア大紀行取材の通訳として、世界一寒い都市ヤクーツク(人口20万人)での体験を毎日小学生新聞に連載した処女作の没後復刊 文・写真ともによい 現地の人々にとって“たかが-50℃” 10~5月が冬 スキー・スケートは春の遊び プラスチックは破壊され、家は土台からねじれて傾いてしまうが、乾燥したヤクーツクの―55℃はモスクワの―30℃よりも快適で、若い人も大学を終えると帰ってくるそう ここ(北半球の寒極)上空の冷たい空気の塊がちぎれて来るのがシベリア寒気団 元本1986年 2007刊 文庫化2012年
2020/02/12
さいちゃん
図書本。気温2℃でも、カイロをベタベタと体に貼り付けて仕事している私としたら、マイナス50℃なんて、想像を絶します。そのような環境で生活してる人達は、マイナス20℃では暖かく感じるようです。料理も肉料理メインで、植物などは木の実で作ったジャムなど。生活スタイルなども、とても興味深く読みました。
2015/02/01
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