映画幻想の季節
映画幻想の季節 / 感想・レビュー
garth
「映画館というものはやはりある程度まで、魔術的な場所、マジック・パレスでなければならない。だいたいあのように暗く、かならずみんな前方を向いてすわり、横型長方形の幻に見入るという異様このうえない状況自体が、それにふさわしい空間を要求している」このところ魔術としての映画、ということばかり考えているので大いに示唆に富む一冊。SF映画の幼稚さについての指摘も。
2010/07/21
ネムル
魔術としての映画、そして体験。よくよく考えたら映画とシュルレアリスムハ切っても切り離せない関係だったか。『幻想文学』誌の幻想映画特集にも寄稿があったし。
2011/02/25
Nadja
館内へ入るドアにはすり切れたビロードのカーテン。駆け込んできた人たちが座る度に座席が軋む音。映写機の光源にもくもくと煙る紫煙(昔は場内喫煙可)。生地が傷んだ座椅子。一本目の映画が終わると場内にはアイスクリーム売り。画質も音質も今とは比べものにならないくらい劣悪だったけれど、幻想にはふさわしい場所だった。現代は映像作品が過剰なまでにあふれ過ぎて、想像や幻想をかき立てる作品と出逢う機会も失われつつあるように思う。
trois
私の映画の記憶は、この本にすべてつまっている! 素晴らしい映画評ばかりで、読みながらふたたび映画を見ている気分になります。
2011/05/21
感想・レビューをもっと見る