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あの夏、兵士だった私

あの夏、兵士だった私

あの夏、兵士だった私

作家
金子兜太
出版社
清流出版
発売日
2016-08-04
ISBN
9784860294519
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あの夏、兵士だった私 / 感想・レビュー

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海山ごはん

俳人の金子さんは、先の大戦中に南方のトラック諸島に赴任させられ多くの部下を亡くして帰還している。その前には、『治安維持法』によって投獄された俳句仲間の姿を見ている。日本が戦争へ傾く経過を見てきた、生き証人なのである。その金子さんが、今の日本の姿は戦前のそれに似ているという。先人の言葉は、重く受け止めたい。

2016/09/07

tuko

俳人金子兜太氏が、自らの戦争体験を語り、あまりにも「戦前」に似ている今の日本に警鐘を鳴らす。目に見えない形で権力による統制が進み、権力が直接手を下さなくても、大きな権力に便乗して自分の鬱憤を晴らそうとする「下からの抑圧」という危険な事態が起こってくる。

2016/09/29

kenitirokikuti

金子兜太は1919年生まれ、水戸一高から東大(いや東京帝国大学だ)、日銀に入り、1944年に海軍主計(将校)としてトラック島へ▲「新興俳句運動弾圧事件」。主要ターゲットは「京大俳句」。渡辺白泉「戦争が廊下の奥に立つてゐた」。金子は『土上』という雑誌に属していたが、主宰の嶋田青峰も治安維持法違反で投獄される。金子の先輩も特高に生爪を全て剥がされる。新興俳句は虚子の花鳥諷詠に対し、自然だけでなく人間社会も含めた。リアリズムという言葉が咎められた。近現代俳句史は他をあたろう

2016/12/18

多分、いのっち。

P.29 生き物はみな、闘争心を持ちます。とくに人間は余計にその願望が強い。しかも、甘美な大義があれば、コロッと乗ってしまう。『美しい国土を守るために』なんて言われるとホロッときてしまう。シンプルでわかりやすく、しかも涙をもたらすような“大義名分”に、人間は弱いもんです。するとそれが、じつはどんな意味を持つのかを深く考えないまま、それに突き進んでしまう。戦争は敵を倒すことが美化されます。しかし、一歩下がって冷静に考えれば、大量殺戮にすぎないことが、よくわかってくるのです。

2016/09/03

yuki

一流の文化人のあるべき姿を示されていると思いました。

2016/12/12

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