消えた歌の風景 PART1 懐かしい21の童謡・唱歌
消えた歌の風景 PART1 懐かしい21の童謡・唱歌 / 感想・レビュー
tamami
本書の最初に、異国で歓待を受けた日本人のグループが、お礼として即興で「花」を合唱したところ、大変な賞賛を受けたという話が載せられている。日本人なら誰でも、ある年代以上の人は、かなりな数の童謡・唱歌を覚え、歌うことができる。本書が記すのは、しかし、様々な理由でいわば心の財産とも言うべき「歌」の数々が、伝承されることなく消えつつあるという現実である。新曲が次々と誕生する現在、昔の歌が人々の記憶から消え去るのは仕方がないかも知れない。しかしその歌と共にあった暮らしの姿、心の有様まで忘れ去られるのは悲しく切ない。
2022/03/21
スリカータ
何年か前、朧月夜の歌詞の意味を生徒(小〜中学生)に教えることがあり、叙情性の豊かさに自分自身が深く感銘を受けた。内舘さんの解釈で、また新たな気付きを得た。私自身が子供の頃は全く気にもとめない事が、大人になって理解できたこともあり、日本の叙情詩の再確認にお勧めの本。ただ、知らない詩が半分くらいあり、消えてしまうのが勿体無い。「われは海の子」が7番まだある事は知っていたけど、GHQによって一度は消され、時を置いて復活した歴史的背景は興味深い。
2022/08/13
luckyair
まさにここに紹介されている歌の中でも、1度も聞いたことないものも結構あった。筆者も文中で指摘しているが、知っているか知らないかは「周りにその歌を伝える人がいたか」が、年代よりも大きな要素となるとのこと。筆者の言い方にトゲがあってあまり好きではないけど、解説はこの歌を知るために参考になる。歌の歌詞が分かり辛い、時代に合わないからと言ってカットしていくのは勿体ない気もする。とは言え、歌の価値をどう捉えるかは時代背景によるものが多く、知らないことと「民度が低い」ことを結びつけるのは違うかなーと思った。★★☆
2022/09/28
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