さよなら、日本
さよなら、日本 / 感想・レビュー
makimakimasa
『「在外」日本人』では表に出なかった著者自身の言葉と人となりが本書では全面に溢れている。過去作品の採録に書下ろしを交えた構成。戦後の私的家族史(幼少時代、学生運動の挫折、母との衝突と別離)、カンボジアとビルマの難民についてのレポート、旧社会主義国を巡る旅の記録(前著の舞台裏的要素あり、特にキューバとユーゴが重厚)、社会学者ロナルド・ドーアとイタリア片田舎で過した日々、安普請を小奇麗に気取った街並みに変わる日本を憂えた晩年(本書刊行の翌08年に母と同じ癌で死去)。借金で食い繋いだ作家人生30年の証の様な本。
2019/05/17
猫草
世界各地を取材してきたライターの心情・・・世界の不幸を飯のタネにする生活と揶揄する作者の感性
2011/08/06
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