男どき女どき 上 (大活字文庫 86)
男どき女どき 上 (大活字文庫 86) / 感想・レビュー
Galilei
短編小説、『鮒』は、平凡な家庭生活に突然の魚1匹が、主人公の神経を、毎日々々すり減らさせる神経戦のように思えた。他方、『三角波』は、婚約者とその後輩の二人から愛されていると思い込む女心。女のもつ自尊心、いや人として生きる尊厳すら、新婚わずかで、一瞬にして崩壊させた残酷な物語である。作家としてなのか、女としてなのか分からないが、邦子の中に潜んでたジェラシーや冷酷さを垣間見た作品のように思える。
2020/01/19
感想・レビューをもっと見る