シェルシーカーズ 下
シェルシーカーズ 下 / 感想・レビュー
rokoroko
主人公は64歳心筋梗塞を経験。長女は42歳次女は多分38位なのにペネロピはおばあさんすぎる。と考えるのは来年60になるせいか。私はペネロピが画商にロレンス・スターンの名画シェル・シーカーズを見せる所が好き。どんな絵なんだろうと想像してしまう。何回も読んでいる本
2017/05/22
chocoうさぎ
『シェルシーカーズ(貝を探す子どもたち)』という絵の構図はペネラピの子供たちと重なる。「どの子も素足を踏ん張って小さな赤いバケツの中を一心に覗いている」各自が自分の宝物を得ようとしている。それは物質的であったりキャリアだったり。「絵の中の女の子の一人は私なの」と言うペネラピにとってはたった一度の真実の恋。一生に一度、会うべき人に出会った喜びとその人を失った哀しみ。その思い出を宝物として生きたであろう半生。遺品整理で出てきた赤いドレスがハンガーにしょんぼりと吊るされていた様子に涙が出る。お勧め。
2021/08/05
su-zu
¨おそらく経験するとしても、人に一生でやっと一度、めぐり逢うか逢わないかの、あの思いがけぬ恍惚たる歓びを、身のうちにみなぎる幸福感を、彼女は今あらたにしていた。「それはことごとく、よいものでした。そしてこの人生においては、よいものはけっして失われることがないのです。それは人の一部となり、その人格形成にあずかるのです。」……老境を迎えてこんな風に思える、主人公ペネラピの瑞々しさに、心底惚れてます。
2016/06/27
schazzie
下巻になって一気に色々な事が起こったので、上巻よりはテンポよく進んだが、自分の身の回りの事に重なる話なのに、登場人物の誰にも共感できない。物語に入り込めないのは翻訳のせいだろうか?度々訳に引っかかった。ただ戦争の悲惨さや、戦争さえなければという状況には胸が痛くなる。戦争はしてはいけない。誰も幸せにならないのだからと改めて思う。
2016/02/08
KIKO
良かった。ほろ苦くも希望に満ちたエンディング。実らなかった恋ほど美しいものは無くて…しかし、人生を悔いも恨みもせず、自己憐憫にも浸らず、誇り高く生き抜いたペネラピに拍手。ペネラピの最期に現れたのがリチャードだったのが嬉しい。自分らしく生きるためには、女性でもある程度の財産か仕事を持たなくてはいけないとも思った。「幸福は自分が現在持っているものを最大限に役立てることだし、豊かさは持っているものの価値を最大限に引き出すこと」彼女が息子に語った言葉を私も胸に刻みたい。
2015/02/07
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