ぼくらのバス (ピュアフル文庫 お 1-1)
ぼくらのバス (ピュアフル文庫 お 1-1) / 感想・レビュー
夢追人009
今年の直木賞受賞作「渦」の大島真寿美さんが今から22年前に書かれた初の児童文学長編小説です。圭太と広太の兄弟が、2年前におじいさんが亡くなってずっとお休みになっていた緑色のバスの図書館に出掛けてボロボロな状態を修復し秘密基地にする話で、中学生の家出少年・順平が住み着くようになってさらに複雑になって行きます。兄弟が最後まで両親に嘘をつき通す事は大人との間に距離を置く意味で問題ですが、まあ大人の中にも話の分かるおばあさんがいてくれて助かりますね。ぼくらのバスがめでたく復活するラストに心晴れ晴れとなりましたね。
2019/07/31
やっさん
★★★ 夏休み、宿題、家出、アルコールランプ、秘密基地。次々飛び出す〝小学生ワード〟に心踊る児童書。平和な話もたまには良いね。ちくわのエピソードが好き。
2020/02/18
5 よういち
管理人のおじいさんが亡くなって以来荒れ果てていた『バスの図書館』に小学5年生の圭太と弟の広太がやってきた。二人はバスにこっそりと忍び込み、バスの中を掃除し、必要なものも集めて二人の秘密基地に仕立て上げる。本もあれば、お菓子だってある快適な空間だ。しかし、ある日、家出した中学生の富士田順平がバスで寛いでいた。◆少年たちの夏休みのひとコマ。少年たちは日々成長していくものだ。それは大人には考えられないスピードで。◆大人たちとの距離感が抜群にいい。順平にしても、ちょっと背伸びしているという程度だ。大人たちも優しい
2018/12/20
とりあえず…
夏休みが始まると、これからどんな楽しいことがあるんだろう、とワクワクしたこどもの純粋な気持ちが蘇ってきます。小学生の夏休み、役目を終えたバス、沢山の本に囲まれた秘密基地。ね?これだけでワクワクしませんか?中学生のお兄さんと共に、少し逞しく、少し優しくなっていく少年たちが可愛らしい。こういう場所、今でもあるといいな。
2013/08/05
七色一味
読破。図書館にて。何となくやることはなく、宿題はしたくない、そんな土曜日。主人公は突然、近所のお屋敷に昔あったバスの図書館を思い出し、借りたままの本を返しにくことを思いつきます。そこから。朽ち果てたバスの図書館を兄弟で掃除し、居心地のいい秘密基地に──。昔夢見た、木の上の家や橋の下の隠れ家、そんな懐かしさを思い出しながら読み進めました。ちょっとずつ成長する三人(途中から一人増えるんですね)と、それを見守る古びたバス。じんわりと暖かい物が溢れるんですが──。あとがきを読んで──思わず泣いてしまった。
2012/03/18
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