へだたり 坂田靖子よりぬき作品集 (ピュアフルコミックス)
へだたり 坂田靖子よりぬき作品集 (ピュアフルコミックス) / 感想・レビュー
そのじつ
最近サカタ作品を読んでいると、古い映画がふと脳裏を掠めるような気持になる。「くされ縁」「幽霊」「秘密の愉しみ」は特に。ユーモア、ウィット、身の竦む様な切実さ、残酷さ。そして書名になっている「へだたり」に関するエッセイ「インフラマンス」にしびれた。デュシャンの発言「(たった今、人の立ち去って行った)席のあたたかさは超薄膜的である」に色気を感じるサカタさん。ああ、サカタ世界の甘美さはそこにあったのか!という膝打つ感触を得た。年をとったせいか、昔より今の方がサカタ世界の愉しみがしっくりくるようになった気がする。
2011/12/15
きょん
昔JUNEにこういった作品が載っていたことを知らなかったので興味深く読んだ。個人的に好きなのがナメクジ、この切なさと黒さはまるで海外のミステリを読んだ気持ちになる。
2011/08/18
エピクト
JUNE掲載作を中心にした作品集で、過去の再録も多いので以前にほとんど読んでいる。再読に耐える作品ばかりなのでなにも問題ない。たいていの男同士の同性愛マンガはどうしても男から見ると「なんでやねん、あるかいな」の世界になりがちだが、坂田作品は軽妙さと友情系の描き方が上手いせいか、わりとすんなり読める。個人的にはやはり「くされ縁」が素晴らしいと思う。それと「幽霊」の、砲撃の中を笑顔で手を振って走り去るシーンの不気味さと物悲しさ。これらを重苦しくなく描いてしまう手腕にはあらためて感動する。
2011/02/07
IENEKO
再録中心ですが、何度読んでもいいです。坂田さんのJUNEは、ちゃんと「男同士」に意味を持たせているところがいいです。数ページの短編にも関わらず抒情性あふれる読後感が味わえる。こういった漫画が描ける方はなかなかいませんね。
2011/02/04
はなはな
JUNE掲載を中心にした耽美系作品よりぬき。書下ろし以外は8割位に既読ですがかなり時間がたっていても覚えていて、再読してもまた良かった。絵柄からか直接的に描いても生々しくないし、微妙な描写は上手いし、ウィットはあるし。BLより耽美系という形容があうと思います。
2014/01/21
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