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空海

空海

空海

作家
三田誠広
出版社
作品社
発売日
2005-12-01
ISBN
9784861820595
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ジャンル

空海 / 感想・レビュー

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R

空海の生涯を描いた小説でありました。史実に精通していないので、どの程度うまく描かれていたかはわからないものの、空海という天才が仏教とどう付き合ってきたか、どう向かい合って、日本にそれをもたらせたかという歴史が描かれていました。最澄との関係や、唐における仏教の立ち位置など、その時代ならではのことも包含しつつ、理想というべきか、自分がなすべきことを示してきた生き方とともに、仏教入門とも捉えられるほどの解説も踏まえて、堪能できた小説でした。

2018/02/26

藤枝梅安

空海が即身成仏に臨み、弟子たちに語った自分の人生、という設定。  幼少の頃からずば抜けた才能を見せていた空海。  「超人的」な「天才」の一生を、筆者は史料を基に丹念にたどって行く。  時代背景や仏教の説明に多くのページが割かれ、  空海の人間的なスケールの大きさを描くに至っていない点が残念。  小説と言うより歴史読本の趣。

2010/06/06

一笑

難しいかなと思っていたけれどやっぱり難しかった。山も川も水も人も動物も、八百万の神もキリスト教もイスラム教も、宇宙さえも大日如来の体内にある。空海の唱える仏教はとてつもなくスケールが大きい。本当にこの教えが世界に浸透すればこの世から戦争はなくなるかもしれないが、現実はなかなか難しい。空海の教えを広める役目の寺院さえ、争いごとの中心となることがあるぐらい。空海の教えをどう引き継いでいくかが難しい。空海その人を知ることもさることながら、仏教入門書としてもいいかもしれない。読書の秋? 月間9冊は自己最高です!

2023/10/31

田中峰和

「空海の風景」は、司馬が資料から当時の空海を風景として捉えているため、間接的過ぎて歴史書のような印象だった。空海が何を考えていたのかを知るためには、このような本のほうが良い。空海といえば、最澄との対比が気になる。両者ともに山岳修行をしたが、その活かし方が全く異なった。空海は身体を通して体得したのに対し、最澄は経典をよむことに重点を置きすぎ、密教の理解を間違えた。ついに空海は経典の拝借を拒否し、二人は別の道を歩んだ。中国語、梵語を音韻からも学んだ空海の勉強法が描写され、天才であっても努力の人と納得した。

2021/10/20

まえぞう

夢枕さんのファンタジーと違って、こちらはいたってオーソドックスな作品です。高野山で最後をむかえる空海が弟子たちに語る形ですが、幼い頃より死に至るまでが時を追って丁寧に描かれています。山の民との交流やアテルイとの巡り合わせなんかは新鮮な感じがしました。

2018/04/03

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