新版 テロルの現象学――観念批判論序説
新版 テロルの現象学――観念批判論序説 / 感想・レビュー
ミスター
笠井潔は近代を進歩させようとするマルクス主義の観念が悪魔へと転化することを問題にし、悪魔に接近しながらギリギリの地点で蜂起につながる可能性を本書で模索している。言うまでもなく、ここで「悪夢」だとされているのは「テロル」だと思うが、しかしこれは良い人だと思われたいだけでは?と感じてしまった。笠井は千坂恭二を引いて学生の就職問題に繋がる。そして社会運動から成熟して大人になる一般的な成熟モデルの欺瞞を批判しながら68年的独り革命も否定するが、それはどうなのかと思う。笠井潔の中には隠れた戦後派が生きている。
2020/06/16
なつのおすすめあにめ
押井守が単行本と文庫本、蛍光ペンで塗りつぶすくらい読み込んで、なお新版も読んでいるらしいときいて読む。コリン・ウィルソンの『アウトサイダー』と共鳴する気もしたが、あちらはテロリズムとか革命に興味なさそうだった気がする。調べたらどうやら対談してたらしく、やはり話は噛み合わなかったらしい。『アウトサイダー』における<肉体的アウトサイダー>・<感情的アウトサイダー>・<精神的アウトサイダー>と、『テクストの現象学』・『エロスの現象学』・『ユートピアの現象学』という三部作の構想などの三重性……、三重が重要なのか。
2019/09/14
imo
ジラール『欲望の現象学』と並んで、人間の活動における形而上的領域の重要性がわかる一冊。補論では、68年ラディカリズムの今日における可能性と限界が示されている。
2013/07/14
岸田解
難儀さ。
2016/04/29
むしざわ
学生運動関連は読メに登録しないつもりだったけど、自分の見解との相違も含めてこの本からは得るものが多かった。確かに違うけれどもこういう角度の視点は羨ましくもある。「68年」熱再発。
2014/03/07
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