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分解する

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作家
リディア・デイヴィス
岸本佐知子
出版社
作品社
発売日
2016-06-20
ISBN
9784861825828
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分解する / 感想・レビュー

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ネギっ子gen

【こんな問いに正しい答えが本当にあるのなら】「分解する」「オーランド夫人の恐れ」「年寄り女の着るもの」などを収めたデビュー作品集。解説は訳者。原書は1986年に、訳書は2016年に刊行。こういうの好きだ。「私に関するいくつかの好ましくない点」:<そもそもの最初から私には好きになれない点がいくつかあった、そう彼は言った。意地悪な言い方ではなかった。彼は意地悪をするような人ではなかった、すくなくとも意図的には。彼がそれを言ったのは、私への態度をそんなに急に変えた理由を説明してほしいと私が彼に言ったからだ>。⇒

2024/11/04

yumiha

苦手な短編集。ストーリーは違っても、そのトーンは同じだ。違和感だらけの日々。情緒不安定(というタイトルの短編あり)な自分を持て余す。何をやってもうまくいかない。何もやる気がしない。内心を描く、というのも文学だが、だんだん読者にも陰鬱が汚染する。しんどくなる。私には合わない。ちなみに訳は、岸本佐知子。

2019/08/26

くさてる

掌編集。しかし読みやすいというわけでもあっけないわけでもなく、読後になんともいえないもやもや感が残る。それは厭なものではないけれど心地良いものでもなくて、まるで自分の鞄や服のポケットに思いもかけず残っていた他人のメモを見つけてしまったようなおかしな気持ち。悲しさまでにいたらない、けれど無視することが出来ないあの気持ち。不思議な作品集です。

2016/07/26

三柴ゆよし

かつての愛の記憶を、一時間何ドルといった具合に「分解する」男を描いた表題作は、滑稽でありながら、全身を掻き毟らずにはいられない痛ましさをおぼえた。だれしもそれをなかったことにしたいけれども、もう二度とそれを繰り返さないとは決して言い切れない。愛の清算とは概してこのように滑稽な営みに終始せざるを得ず、しかし我われ業の深い生命体はそうせずにはいられないものなのだが、置き換えられた数字と数字の狭間からは、割り切れない感情がいつまでも噴き出でる。救われねえ。テーマソングは槇原敬之「もう恋なんてしない」でよろしく。

2016/09/29

erierif

実質的なデビュー作になるこの短編集、作者の全てが入っていた。『分解する』とはこの中の短編の一つでもあり表題だが、リディア・デイヴィスその人が自分の事をまるで銃の手入れをするみたいに一つ一つ分解し、部品を点検し、組立てていくかのような作品が多かった。夫や元夫との不仲の話が多く重苦しいけれど、どこかシステマチックで冷静な観察眼のためすんなり伝わってくる。また『フランス講座』『秋のゴキブリ』の独特のユーモアも大好き。

2016/07/18

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