増補新版 牛頭天王と蘇民将来伝説: 消された異神たち
増補新版 牛頭天王と蘇民将来伝説: 消された異神たち / 感想・レビュー
初美マリン
伊勢の蘇民の森松下神社を訪ねたことがある。あまりに小さくておどろいたが理由がわかった。八坂神社の名前を変え神仏分離というのは過去の歴史をわからなくするものだ。
2022/07/03
∃.狂茶党
いまひとつドライブ感がないというか、置いてかれるというか。 川村は、「クー・リトル・リトル神話」って表記を用いる。 『ク・リトル・リトル神話体系』ってシリーズがでているが、版元とタイアップ記事を載せた雑誌『ムー』などを別にすれば、ほぼ用いられない表記。元々、ク・リトル・リトルと読むこと自体困難なんで、なおのこと。なぜクーなのか。 こちらが知らない隙間を埋めるようなところもあり。 中世の神話的世界、道教的宇宙観とも相通じるようなそれは、その他の関連書物を巡っていくと、また違った感じがするのではないか。
2023/08/15
Fumitaka
昔『朝霧の巫女事典』で知った、時にスサノオと同一視される牛頭天王について記述。密教や朝鮮半島、インドなど複数の起源を持つ神格が日本で受容されていく様子を考察し、様々な文化が混淆する「神社神道以前」(p. 200)の世界が浮かび上がる。考えてみれば同じ日本でも文化や感覚がまったく異なる地域というのは現在もある訳で、全国規模の「均一性」が存在する方が不自然かもしれない。ただ本の中で扱われる主題は必ずしも「時系列順」に並んでおらず、自分には一読で完全に把握できない部分もあった。読み返させていただきます。
2023/07/20
isbm
★★☆
2023/11/12
momen
日本各地に信仰や伝承がある謎の神・牛頭天王。日本各地の神社仏閣や民間信仰を探り、そのルーツや変遷を紐解く。朝鮮から東北まで広い地域に伝わった牛頭天王は、それぞれがローカル信仰と混ざり合ったり時の権力に揉まれたりして変化し、水神から病気治癒まで無数のバージョンを作り上げた。狭い日本国内だけでも様々な人々のコミュニティがあり、それぞれの要求に応じて信仰が細かく変化成長していったことを感じさせる。実際に牛頭天王や関連神が祀られている場所に訪れたエッセイ的な記述も多く、ちょっとした旅行記のようにも読める。
2022/11/29
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