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増補新版 テロルの現象学: 観念批判論序説

増補新版 テロルの現象学: 観念批判論序説

増補新版 テロルの現象学: 観念批判論序説

作家
笠井潔
出版社
作品社
発売日
2022-12-28
ISBN
9784861829536
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増補新版 テロルの現象学: 観念批判論序説 / 感想・レビュー

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なつのおすすめあにめ

新版を四年前に読んで、コリン・ウィルソンの『アウトサイダー』と共鳴する気がして調べたら、対談して(話は噛み合わなかったらしい)んだよな。「はじめに」「補論Ⅱ」「増補新版あとがき」をサッと読むが、安倍晋三銃撃事件などの現代日本のテロと本書に距離があるようなモヤモヤあり。旧版と文庫版を蛍光ペンで塗りつぶすくらい読み込んで、新版を読んでいた押井守が、この増補新版も蛍光ペン片手に読んでいるのかどうかが気になった。新版はハードカバーで今回はソフトカバー、自分も「補論Ⅰ」まで蛍光ペン片手にじっくり再読してみようかな。

2023/12/17

ryo

笠井潔名義の評論書の処女作。共同観念→自己観念→党派観念にいたる観念の発生史と党派観念に対置される集合観念が語られる。党派観念=マルクス主義に代表される全体主義収容国家、集合観念=大衆蜂起と言った位置付けか。ニコライ・イリイチが党派観念の化身であり、連合赤軍事件を経る前の笠井潔自身の思想を模した存在と言える。観念の発生史が哲学、神話、宗教、文学などを駆使して丹念に追う筆致は読み応えがある。加えて学生闘争世代のリアルな認識、知性のあり方を知れた。ただ、68年を特権する見方にはまだ共感しきれない。

2024/05/24

しんだもずく

主催の読書会で読了。正直out of dateと言ったところで、現在にも有効な議論が成し得ているかというとほとんど首肯しがたい。文芸批評的に縦横無尽に文学作品を参照しつつ既存の読解に良くも悪くも縛られない自由な議論で自説を組み立てていく様は、個々の議論について見れば面白い点はありつつも牽強付会な点の方が悪目立ちしている。引用の仕方からして少なくともアカデミックではない議論の組み立て方は段落単位で急にぶつ切れになることも多くて見通しが悪く、充実した傍注には笠井独自の単語の説明をもっと入れてほしかったところ

2023/09/24

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