光と陰の紫式部
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光と陰の紫式部 / 感想・レビュー
檸檬の木
藤原家の傍流一族にうまれた香子(後の紫式部)は、幼い頃に隠陽師阿部晴明の弟子となり千里眼、順風耳という式神が宿った。帝を読者と想定するために、摂関家の横暴を記す事に気づいた香子が源氏物語を通し、その内幕を書き綴っていく。来年の大河ドラマ『光る君へ』の関連本との事であるが、ファンタジー的要素を絡め 戸惑う事もあるが、今までにない斬新な物語になっていた。⭐︎3・5
2023/08/06
もえ
来年の大河ドラマ「光る君へ」の関連本。最近、源氏物語のオンラインセミナーを受講していることもあって興味深く読んだ。冒頭から紫式部には式神が憑いていて、安倍晴明の弟子になるという展開に驚く。清少納言との空中での戦いもあり。このファンタジー的な部分を除けば、藤原道長の栄華と天皇家との関係が概ね史実に沿って描かれている。読了するまで藤原家と天皇家の姻戚関係図がずっと手放せなかった。源氏物語がいかに生まれ読み継がれていったのかという経緯もよくわかり、謎多き紫式部が少し身近に感じられたのは収穫だったかなと思う。
2023/07/24
mitubatigril
来年の大河ドラマの主人公だから紫式部を主人公とした作品情報がたまたま知ったので、期待していたけどガッカリで気落ちしてしまった。確かにあまりきちんと分かってない事が多いけど余りにそこまでは行きすぎというか 陰陽師とこの時代は切り離しがたいけど紫式部が安倍晴明の陰陽師として才能を買っていた 紫式部が自身の才能と知恵で国を支配した 娘が道長との隠し子だ 余りにもありえない感じが過ぎると多少の事実も全然信じれない。いつも思う事男性作者が女性を主人公にする作品は何故かつまらない。
2023/08/12
乱読家 護る会支持!
平安時代は、どれだけ強く天皇の血と繋がっているかで、より高い地位に立てるかが決まった時代。 紫式部や清少納言など、才ある女性たちが、藤原摂関家と関わり、国を動かしていた時代。 藤原摂関家には、各地の荘園開発で莫大な財が流れ込んでいた。 しかし、その後の帝による荘園整理令により藤原摂関家の富は削がれてゆき、独裁と言われた白河天皇時代になり、そして武士の世に繋がっていく。 本書での紫式部は、知力だけでなく霊力も高く、その霊力を安倍晴明に見抜かれ、式神たちを駆使して朝廷を支えていきます。
2023/10/17
カツイチ
霊力をもって都の悪霊と戦う紫式部!の夢枕獏みたいな路線で全編突っ走ってくれたら、さぞかし面白かったと思う。荘園制によって摂関家に富が偏在したことが外戚による専横を招いたのだ、ということは興味深い。しかし説明調で小説としてはどうか。親政親政って、上皇による院政だったり皇太后中心の奥内裏による傀儡政治だったりで、ちっとも正統じゃないし。だいたい道長をバカに書きすぎ、香子に成長がない、光源氏ってそんなにステキ?いろいろ不満が残った。でも、香子が吉高由里子にしか思えなくて、大河ドラマ楽しみです。
2023/08/27
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