何がおかしい: 笑いの評論とコント・対談集
何がおかしい: 笑いの評論とコント・対談集 / 感想・レビュー
katoyann
未完の連載も含めた笑いに関する考察をまとめた遺稿集。笑いには差別構造が含まれるという指摘は刺激的だ。つまり、劣位にあるものを優者が笑うという構造があるという。確かにコントにしても漫才にしても、その人のズレや非常識を笑うパターンがあるわけで、なるほど、と思った。また、デペイズマンという型の笑いもあるらしい。それは、その場にはあるはずのないものが突然出てくるというシュールだという。リリパットアーミー、せっかく京都に住んでたときがあったのに見られなかった。惜しい天才を亡くしたとつくづく思う。
2021/10/15
みゃーこ
自分と戦いつつ、周囲を元気づけた人生…それがらもさん。らもさんの笑いの極意、「笑いとは差別である」「ぶどう理論」、シュールリアリズム(デペイズマン理論)、そして「笑いとは緊張と緩和である」といって笑いを理論として完成させた「桂枝雀」との対話の後「あの人はあんなに笑いを理詰めで考えたら長持ちしない」との予想通り自殺する。「笑いとは人間の業を嘲笑するものであって楽しいものではない」と立川談志は言う。面白いものがないなら作ればいい…それがバネになる、鬼才らもさんの笑いの
2012/11/15
jjm
「笑いとは優者の劣者に対する優越的感情(=差別)の爆発である」「SWのR2-D2,C-3POのトンマな動作は不具者のカリカチュア」このような考えもあると初めて気づかされた。笑いの一要素としてデペイズマン(≒違和感)が挙げられている。NHKこどもの哲学「なんでウンコでみんな笑うの?」の回でも取り上げられていたが、便器にウンコがあってもおかしくない、一方で滑り台の上にあればおかしい。便器にウンコがあるのを一人で見てもおかしくないが、みんなでみるとおかしく感じる。環境の違和感を思い出した。
2021/11/03
takao
ふむ
2024/03/02
ツクエカジリ
こないだ飲みに行った帰りに急にこの本を思い出した。 ので、ふらっと本棚から手に取った。 コントの台本は時の流れを感じてしまうものが多いけど、「笑い」というテーマについてのらもさんの信念は、自分の価値形成にやっぱ影響大だったんだなあ、とあらためて思う。 笑いと人情劇をセットにすることに憤慨してる話も、ちょっとだけそういう要素に関わってる自分の感慨からしても、よくわかる。 「笑いが差別的構造を持つことと、笑うことが生きることであることは、全く位相の違う問題だ。笑いは絶対ニンゲンに必要な存在だ。明記しておく。」
2024/11/04
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