東京大学「80年代地下文化論」講義 (白夜ライブラリー002)
東京大学「80年代地下文化論」講義 (白夜ライブラリー002) / 感想・レビュー
Yasumasa Ono
80年代という時代に対して、「ピテカントロプス・エレクトス」(原宿に誕生した日本で最初の「クラブ」)を一つの座標軸にして考察を試みる本書。 「ピテカン的なるもの」に対置されるものの一つに、「“おたく”的なるもの」がある。大澤真幸から引用された「内閉する連帯」は、本書を読み解く上で重要だと思いつつ、“「おたく」という存在のもってるある種の保守性が、ちょっとした何かによって押されると、すぐ押された方向へ動いてしまう”という宮沢さんの弁は胸に留めておこう。大塚英志、東浩紀、北田暁大の本なども参照をお勧めします。
2020/05/24
tuppo
生きてる環境の違いみたいなものを海外に行くのとはまた違った形でしる
2016/09/08
いのふみ
クールなどいったの現在の言葉では表現できない「かっこいい」、という80年代という時代。雑多なものを受け容れる、楽しむ豊かな土壌があったのだと思う。それを急に無化してしまった(バカになってしまった?)のが90年代だというところに実感やインパクトをもって納得した。
2015/01/30
えすの
講義録なので量の割には読みやすい。80年代のクラブ「ピテカントロプス・エレクトス」を軸に東京で起こったニューウェーブシーンと、中森や大塚が評論の中心であったオタク文化を比較。スノッブとオタクの二項対立。80年代演劇を行っていた人物の語り口調は、当時の演劇がまだ生活に即していたのだなぁ、と感じさせる。一方で、ニートやフリーターのやる演劇が見たくなった。
2015/12/22
AM
リアルタイムでこの時代を体験した私にとっては納得のお話も、最近の学生にとっては「歴史」であることにまず愕然。岡崎京子さんの事故は本当に残念だったと思わざるを得ないです。
2014/10/13
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