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ねむり姫

ねむり姫

ねむり姫

作家
澁澤龍彦
林 宏樹
出版社
ケイツー
発売日
2005-10-01
ISBN
9784861930195
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ねむり姫 / 感想・レビュー

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❁かな❁

お気に入りさんの感想を拝見して読んでみました!とても幻想的な作品*作者の澁澤龍彦さんはマルキド・サドをはじめ数多くのフランス文学を翻訳されているとのこと。澁澤さんの紡がれるお話は昔の日本を舞台にしているのに西洋の雰囲気も漂い切なく素敵でした。14歳を迎え、そのまま深い深い眠りについた珠名姫。蒼味をおびるまでに透きとおった肌、はかなげでとても美しい。造形作家の野村直子さんの白のオブジェ達がこのお話の世界観を上手く表現されていて惹きこまれます。オブジェが本当に美しいです*とてもアートな作品で素敵でした♡

2015/04/03

まさむ♪ね

やっちまった。読書人生最大のミスを犯してしまったかもしれない。これはあれだ、わたしみたいな変なおじさんが手を出したらあかん本なんや。ページをめくるたび、穢れなき乙女たちでごった返すスイーツ店へ、あろうことかおっさんたった一人で戦いを挑んだときのような気恥ずかしさ。これはもう、素敵女子専用本なのだろう。だって、散りばめられた純白オブジェたちが、繊細なレースのごとく乙女チックロマンチックなんだもの。そして澁澤龍彦の語りが、身も心もとろけるような美しさ!何もかもが美しい、ときめきの一冊。

2015/03/10

絹恵

日本を舞台としながら西洋を思わせる造形、光と影が向かい合うような装丁、そして歳を重ねるごとに変転する彼と時の流れの外にあるかのような彼女、全てが美しい対照でした。石膏も水想観も冷たさを感じないのは、行き着く最後には必ず出逢うからだと思いました。解け合って帰る場所は同じなのだから。とても好きな世界観でした。

2014/03/13

yn1951jp

珠名姫とつむじ丸、瀬戸内海の島に生まれた異母兄妹に通う美しい思い。輪鼓(りゅうご)を引く兄と貝覆いの貝で螺旋を描き、阿弥陀堂に閉じこもり、深い眠りにつく妹。快癒を祈願して洛中洛外を巡行する珠名姫の柩は、つむじ丸によって伊予の大長島へと拉し去られ、二十五菩薩来迎会で兄妹は再会するがつむじ丸は獄中に囚われる。深い眠りに中に繊細な生命を保ち続ける妹と強靭に生きる兄は螺旋状に巡る時の流れの中で交感しあう。回転と流れのエネルギー。水想観を得たつむじ丸は珠名姫と合流し宇治川を下り大阪湾、瀬戸内海へと戻ってゆく。

2015/04/17

水零

時は後白河法皇の院政時代。珠のように美しい珠名姫と腹違いの兄、つむじ丸。やがて姫は生きたまま深い眠りに、つむじ丸は、傾奇者へと堕ちてゆく。2人が辿るそれぞれの数奇な運命。彼らの目は覚めるのだろうか。貢を繰るごとに現れる、物語に纏わる石膏のオブジェ。白い肌に指を滑らす。伝わるはずのない、ひんやりとした静けさ。美しくも妖しい青白い光。艶めかしい曲線美。澁澤龍彦の物語と野村直子のオブジェが心地よく溶け合い、私の意識は何処へやら。幻想の中へとまどろみ沈む。月がいやに寂しく見える、独寝の夜に。大人の為の秘密の絵本。

2018/11/16

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