蒼の風景
蒼の風景 / 感想・レビュー
パヤパヤ
これは短篇集の形をとりつつ、それぞれの作品群はゆるく繋がった一遍の小説とも取ることができるもの。テーマは敢えて言えば日本というアジア圏にありながら都合よくアジアの枷から逃れてしまった(とされる)主に経済的理由から))文化のアジア圏との「再会」についてなのだが、これらの「情勢」についての大掛かりで実感の欠けたジャーナリズムに大概占拠されがちなテーマが、見事な精細に満ちるのはこの筆者の手にかかってこそ。東南アジア男性(国籍は明らかにされていない)との子供を関係の先行きも未定で生む日本女性の姿が物語の主軸です。
2011/04/04
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