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百物語 下之巻

百物語 下之巻

百物語 下之巻

作家
杉浦日向子
出版社
小池書院
発売日
2009-07-29
ISBN
9784862254931
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百物語 下之巻 / 感想・レビュー

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本 読むぞう

日本人には、鳥肌が立つような恐怖よりも、むしろ心が涼しくなるような不思議を好む気持ちが刻まれていると思います。小泉八雲の怪談しかり。この本も、そんな日本人の気持ちをみたし、なぐさめてくれるよい本です。夏の夜中、ふとんに寝そべりながら間接照明で読む、外からは虫の音、秋の足音... そんな読み方をしたい本です。味わい深いです。

2013/08/04

三柴ゆよし

下巻、である。上巻とあわせて九十九話。百話には一話足りない。「不思議なる物語の百話集う処必ずばけもの現れ出ずる」というように、百物語の完結は新たな不思議の顕出を意味する。それまで語られてきた怪異の中に、語り手たちが引き込まれてしまう事態。換言すればこれは、虚構による現実の侵犯である。百物語の研究は、東雅夫などによって近年盛んに行われているが、百物語の抱えるメタ・フィクション性というのは指摘されているのだろうか。本書を読んで、非常に興味が湧いた。

2009/08/17

3247

下巻は其の五十三から。世を儚んで狼に喰われようとした男が、狼に真人間の匂いのする肉など食えるかといわれ、渡された狼の眉をかざして世の人々を見れば乞食以外の人間はみな化け物じゃないかと諒解する「狼の眉毛の話」。話によって絵柄をかえ、もしくはペンではなく筆やらクロッキーなどを用いているのか、様々な文体を楽しませるようで見ていて楽しい。それに語り口がすばらしく、「目覚めると仄明るく、朝かと思えば、白壁に月明かりの照り映える夜半だった」など沁み入る。九十九もの話を締めくくる手際にも、何ともいえない味わいがあった。

2013/05/03

yoshiwoemon

この百物語って、多分杉浦日向子が方々の戯作とか古典とかその他の文学作品とか民話とかから集めた話+自身の創作が混ざり合っているのだと思うけど、俺の間違いでなければ、内田百閒とかも入っているのだけど、ともかくも、豊かで、朧ろで、妖しく、愛おしく、悲しく、ぎゅっとつまった作品です。『蟲師』なんかも、連想されるね。

かずや

好きと妖って、字面が似てるね

2015/06/01

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