妖怪学新考: 妖怪からみる日本人の心 (Modern Classics新書 18)
妖怪学新考: 妖怪からみる日本人の心 (Modern Classics新書 18) / 感想・レビュー
縹
妖怪の定義についていろいろと考えさせられる。
2010/08/30
なるとん
未だ日本人の中に存在する「妖怪」という存在を、その発生から当時の日本人の生活環境などを踏まえて考察した本。初めての妖怪学の本でしたが、やはり妖精学に通ずるところもあり、大変興味深く読めました。妖怪学に関しては全くの初心者でしたが、著者の説明が丁寧なことと、神道系の知識が少々あったこともあってか、大変読みやすかったです。著者の他の著書も読んでみたいと感じました。
2011/04/25
kassie
業務上、必要となり、通読。妖怪の研究といえば小松和彦というほど、民俗学上の著者の仕事は飛び抜けている。これまで、妖怪や幽霊に対し、正面から取りかかった研究者が少なかったことが分かる。近代化と妖怪の関係、妖怪が発生する場(空間、環境など)の関係などは理解しつつも、妖怪そのものがどうしてうまれるのかについては、実証できないからか、腑に落ちない。こう考える自分は、近代の枠組みで物事を考えているからだということを再確認した。
2013/09/06
ソクラテスくん
妖怪の「発生」のメカニズムがわからなかった。人間心理がどうして身近な空間の不可思議な現象を妖怪へ形象化したんだろうか?
2012/01/26
じゅんた
ちょっとモヤモヤ。「不安」「恐怖」をなぜ「妖怪」という表象で覆わなければならないのかという私の個人的疑問に答えてくれるものではなかったからかな…。とは言え、この原著が刊行された当時、妖怪研究は未開拓といった状況だったらしいから、本著はその領域を切り開いたという点で評価されるらしい。また柳田学の呪縛を乗り越えた点でも評価されるらしい(あとがき、解説より)。民俗学に手をつけたのは最近なのでその辺の評価ポイントがつかめず残念。同著者の『神隠しと日本人』の方がおもしろい。
2011/09/21
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